学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0247

理由で解く 解剖学

Q0247 呼吸器系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題16
問題
胸腔の構成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 胸 椎
2 胸 骨
3 臓側胸膜
4 横隔膜
解答
正解3(臓側胸膜)
解説
✗ 1.
胸 椎
✗ 正しい。 胸椎(12個)は胸郭の後壁を構成し、各胸椎から左右の肋骨が発生して胸腔の骨性枠組みをつくる。胸椎がなければ胸腔の後方を閉じる骨格は成立しないため、胸腔の構成に不可欠な骨要素である。
✗ 2.
胸 骨
✗ 正しい。 胸骨は胸郭前面の正中に位置し、胸骨柄・胸骨体・剣状突起からなる。第1〜7肋骨(真肋)が肋軟骨を介して直接胸骨と連結し、第8〜10肋骨は第7肋軟骨を介して間接的に連結する。胸骨が胸腔の前壁を閉鎖する主要骨であることは明らかである。
✓ 3. 誤り
臓側胸膜
臓側胸膜は肺の表面を直接覆う漿膜であり、胸腔の壁を構成するものではない。胸腔の壁を構成するのは壁側胸膜(胸壁内面・縦隔側面・横隔膜上面を覆う胸膜)であり、臓側胸膜と壁側胸膜の間に形成される閉鎖空間が胸膜腔である。胸腔は骨格(胸椎・胸骨・肋骨)と横隔膜で境され、その内壁を壁側胸膜が裏打ちするため、臓側胸膜は「胸腔の構成」には関与しないというのが解答の要点である。
✗ 4.
横隔膜
✗ 正しい。 横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる筋性の隔壁で、胸腔の下壁を構成する。ドーム状に胸腔内へ突出し、収縮時に平坦化して胸腔容積を増やし吸気を駆動する。胸腔の底面を閉鎖する解剖学的かつ機能的にも不可欠な構造物である。
ポイント
  • 胸腔の壁は骨格(胸椎・肋骨・胸骨)+筋性隔壁(横隔膜)+壁側胸膜で構成され、肺表面を覆う臓側胸膜は内容物側の構造で壁構成には含まれない。
  • 覚え方のコツ: 胸腔の壁「前=胸骨、後=胸椎、側=肋骨、下=横隔膜、裏打ち=壁側胸膜」で5要素暗記。「臓側=肺の服/壁側=部屋の壁紙」とイメージ分け。
  • 関連知識: 胸郭は12個の胸椎・12対の肋骨・胸骨で構成される骨性の籠。胸膜腔は陰圧に保たれ、呼吸運動で肺の追従を可能にする。壁側胸膜は部位によって肋骨胸膜・縦隔胸膜・横隔胸膜・胸膜頂に細分される。
  • よくある間違い: 「胸膜=胸腔壁」と安易に考え、臓側胸膜と壁側胸膜を混同する/胸腔と胸郭と胸膜腔を同一視する/横隔膜を腹腔側の構造と誤認し胸腔の構成から除外する。
  • 臨床応用: 胸腔穿刺(胸水貯留に対する排液)は通常、後腋窩線上の第7〜9肋間から肋骨上縁を狙い、肋間動静脈・神経束を避けて壁側胸膜を穿刺する。胸腔ドレーンは中腋窩線第4〜5肋間に留置することが多い。
比較表
胸腔の壁 構成要素
前壁 胸骨・肋軟骨
後壁 胸椎(Th1〜Th12)
側壁 肋骨・肋間筋
下壁 横隔膜
上端 胸郭上口(第1肋骨・Th1椎体・胸骨柄)
内面裏打ち 壁側胸膜
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題16|胸腔の構成に関与しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題16|胸腔の構成に関与しないのはどれか。
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