学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0244

理由で解く 解剖学

Q0244 呼吸器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題22
問題
肺について正しい記述はどれか。
選択肢
1 右2葉、左3葉からなる。
2 胸膜腔は滑液で満たされる。
3 臓側胸膜は肺尖で壁側胸膜に移行する。
4 肺門は縦隔に面する。
解答
正解4(肺門は縦隔に面する。)
解説
✗ 1. 誤り
右2葉、左3葉からなる。
右肺と左肺の葉数が逆である。右肺は上葉・中葉・下葉の3葉、左肺は上葉・下葉の2葉からなる。左肺は心臓が左側へ片寄るため容積が約1,000mlと右肺の約1,200mlより小さく、中葉に相当する部分は舌区として左上葉下部に組み込まれている。
✗ 2. 誤り
胸膜腔は滑液で満たされる。
胸膜腔を満たすのは滑液ではなく漿液である。臓側胸膜と壁側胸膜の間に形成される密閉された腔所で、少量の無色漿液が潤滑液として働き、呼吸運動に伴う肺の滑らかな滑走を助ける。滑液は関節腔や腱鞘に存在するもので、性状も産生部位も異なる。
✗ 3. 誤り
臓側胸膜は肺尖で壁側胸膜に移行する。
臓側胸膜と壁側胸膜の移行部は肺尖ではなく肺門である。肺表面を包む臓側胸膜が肺門で気管支・血管を包み込むようにして折り返り、胸壁内面をおおう壁側胸膜へと連続する。肺尖は鎖骨上方2〜3cmに達する肺の頂点で、ここでは臓側胸膜に覆われたままである。
✓ 4. 正しい
肺門は縦隔に面する。
肺門は肺の内側面に位置し、左右の肺に挟まれた縦隔に面している。肺門からは主気管支・肺動脈・肺静脈・気管支動静脈・リンパ管・神経が出入りし、これらをまとめて肺根と呼ぶ。右肺門では上から気管支・肺動脈・肺静脈の順に、左肺門では上から肺動脈・気管支・肺静脈の順に配列する点も臨床的に重要である。
ポイント
  • 肺門は肺の内側面中央にあり縦隔に面する開口部で、気管支・肺動脈・肺静脈・気管支動静脈・神経・リンパ管が出入りする肺の玄関口である。
  • 覚え方のコツ: 肺葉は「右3左2」と数字で対比記憶。右の配列「気管支→動→静」、左の配列「動→気管支→静」は、右は上から気・動・静、左は上から動・気・静と「右はB→A→V、左はA→B→V」と覚える。
  • 関連知識: 肺区域は右10個・左9個(左は舌区を含む)で、区域気管支が支配する円錐状の領域。臓側胸膜と壁側胸膜の移行部は肺門で、その下方延長上に肺間膜が形成される。
  • よくある間違い: 右肺3葉と左肺2葉を逆に覚える/胸膜腔を滑液で満たされると誤認する/臓側胸膜と壁側胸膜の移行部を肺尖や肺底と誤答する。
  • 臨床応用: 肺門部には肺門リンパ節群が集中し、原発性肺がんの転移起点として重要。肺門腫瘤影は胸部単純X線読影における重要所見で、拡大時は縦隔リンパ節転移や中枢型肺がんを疑う。
比較表
項目 右肺 左肺
肺葉数 3葉(上・中・下) 2葉(上・下)
肺区域数 10区域 9区域(舌区を含む)
容積・重量 約1,200ml・約600g 約1,000ml・約500g
肺門配列(上から) 気管支・肺動脈・肺静脈 肺動脈・気管支・肺静脈
特徴的な裂 水平裂・斜裂 斜裂のみ
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題22|肺について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題22|肺について正しい記述はどれか。
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