学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0238

理由で解く 解剖学

Q0238 呼吸器系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題22
問題
気管支について正しい記述はどれか。
選択肢
1 気管分岐部は第1 胸椎の高さである。
2 気管支壁は肺動脈によって栄養される。
3 左気管支は3 本の葉気管支に分かれる。
4 右気管支は左よりも垂直に近く傾斜する。
解答
正解4(右気管支は左よりも垂直に近く傾斜する。)
解説
✗ 1. 誤り
気管分岐部は第1 胸椎の高さである。
気管分岐部(気管竜骨)の位置は第4-5胸椎の高さであり、体表では胸骨角に一致する。第1胸椎は気管の上部に相当し、まだ分岐していない。第2胸椎、第1胸椎のような高い位置を気管分岐部とする選択肢は典型的な誤答パターンである。
✗ 2. 誤り
気管支壁は肺動脈によって栄養される。
気管支壁を養う栄養血管は胸大動脈から分岐する気管支動脈である。肺動脈は右心室から肺へ静脈血を送る機能血管であり、肺胞毛細血管でガス交換に関わるが、気管支壁そのものの栄養は担わない。機能血管と栄養血管の区別は呼吸器解剖の要点である。
✗ 3. 誤り
左気管支は3 本の葉気管支に分かれる。
左肺は上葉・下葉の2葉から成るため、左主気管支は上葉気管支・下葉気管支の2本に分岐する。3本に分かれるのは右主気管支(上・中・下葉気管支)であり、左右を取り違えた記述である。
✓ 4. 正しい
右気管支は左よりも垂直に近く傾斜する。
右主気管支の分岐角は約25°と小さく、気管の延長方向に近い垂直走行を示す。一方、左主気管支は心臓が左前方に位置する関係で約45°と水平に近く傾斜する。この左右の傾斜の違いは、太さ(右太・左細)・長さ(右短・左長)の差とともに誤嚥異物が右主気管支に落ちやすい解剖学的根拠となる。臨床的には気管挿管で気管チューブが深く入りすぎると右主気管支へ迷入して片肺挿管を起こしやすい。
ポイント
  • 右主気管支は左より太く・短く・垂直に近いため誤嚥異物が入りやすい。気管分岐部は第4-5胸椎。
  • 覚え方のコツ: 「右=太短垂直・3葉/左=細長水平・2葉」と左右3点セット+葉数で対比する。
  • 関連知識: 機能血管=肺動脈(静脈血、ガス交換)/栄養血管=気管支動脈(動脈血、肺組織の栄養)。
  • よくある間違い: 肺動脈を栄養血管と誤解/左右の葉気管支の本数を取り違える/気管分岐部を第1胸椎と誤解する。
  • 臨床応用: 気管挿管のチューブが深く入ると右主気管支へ迷入し左肺無気肺を来す。胸部X線でチューブ先端の位置確認が必須。
比較表
項目 右主気管支 左主気管支
傾斜 約25°(垂直寄り) 約45°(水平寄り)
太さ 太い 細い
長さ 短い(2-3cm) 長い(約5cm)
葉気管支 3本 2本
誤嚥 入りやすい 入りにくい
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題22|気管支について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題22|気管支について正しい記述はどれか。
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