学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0889

理由で解く 解剖学

Q0889 運動器系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題21
問題
筋と付着部位について正しい組合せはどれか。
選択肢
1 広背筋 - 上腕骨大結節
2 大胸筋 - 上腕骨小結節
3 大殿筋 - 大腿骨大転子
4 大腰筋 - 大腿骨小転子
解答
正解4(大腰筋 - 大腿骨小転子)
解説
✗ 1. 誤り
広背筋 - 上腕骨大結節
広背筋の上腕骨への停止部は「小結節稜」であり、大結節ではない。大結節には回旋筋腱板のうち棘上筋・棘下筋・小円筋が停止する。大結節と小結節の区別、そして結節稜への停止筋(大結節稜:大胸筋/小結節稜:広背筋・大円筋)の整理が要点。
✗ 2. 誤り
大胸筋 - 上腕骨小結節
大胸筋の停止は上腕骨の「大結節稜」で、小結節ではない。小結節には肩甲下筋が停止し、小結節稜には広背筋と大円筋が停止する。結節と結節稜は別構造である点に注意。
✗ 3. 誤り
大殿筋 - 大腿骨大転子
大殿筋の停止は大腿骨の「殿筋粗面」および腸脛靱帯で、大転子ではない。大転子には中殿筋・小殿筋・梨状筋・内閉鎖筋・双子筋などが停止する。大殿筋は股関節の強力な伸展・外旋筋で、下殿神経支配。
✓ 4. 正しい
大腰筋 - 大腿骨小転子
大腰筋は第12胸椎〜第4腰椎の椎体側面と肋骨突起から起こり、腸骨筋と合して腸腰筋となり、鼠径靭帯の下を通って大腿骨小転子に停止する。腰神経叢(L1〜L3)支配で股関節の強力な屈筋として働き、歩行・階段昇降・上体起こしで中心的役割を果たす。大腰筋と腸骨筋を併せた腸腰筋は人体最強の股関節屈筋で、小転子に共通の停止腱をもつ。
ポイント
  • 大腰筋は腸骨筋と合して腸腰筋となり大腿骨小転子に停止する股関節の強力な屈筋。
  • 覚え方のコツ: 「小転子=腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)」、「大転子=中殿筋・小殿筋・梨状筋・深層外旋筋」と転子ごとの停止筋で整理する。
  • 関連知識: 上腕骨の結節と結節稜は別構造。大結節=SIT筋(棘上・棘下・小円)、小結節=肩甲下筋、大結節稜=大胸筋、小結節稜=広背筋・大円筋。
  • よくある間違い: 大転子と小転子を逆に覚える/結節と結節稜を混同する/大殿筋の停止を大転子と誤る。
  • 臨床応用: 腸腰筋膿瘍は結核や化膿性脊椎炎で形成され、鼠径部腫脹・股関節屈曲位拘縮をきたす。大腿神経ブロックは股関節屈曲の評価が重要。
比較表
構造 停止筋
上腕骨大結節 棘上筋・棘下筋・小円筋
上腕骨小結節 肩甲下筋
上腕骨大結節稜 大胸筋
上腕骨小結節稜 広背筋・大円筋
大腿骨大転子 中殿筋・小殿筋・梨状筋・深層外旋筋
大腿骨小転子 腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題21|筋と付着部位について正しい組合せはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題21|筋と付着部位について正しい組合せはどれか。
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