学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0235

理由で解く 解剖学

Q0235 呼吸器系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題22
問題
肺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 肺胞上皮は線毛上皮である。
2 栄養動脈は気管支動脈である。
3 細気管支には軟骨がある。
4 表面は胸膜で覆われる。
解答
正解1(肺胞上皮は線毛上皮である。)
解説
✓ 1. 誤り
肺胞上皮は線毛上皮である。
この選択肢は解剖学的に誤っているため、「誤りを選ぶ」設問の正解となる。肺胞上皮はガス交換を担う部位であり、極薄の単層扁平上皮(I型肺胞上皮細胞)と、サーファクタント(肺表面活性物質)を分泌する立方形のII型肺胞上皮細胞から成る。線毛は存在せず、薄い細胞(約0.1μm)・基底膜・血管内皮を合わせた血液空気関門(約0.5μm)を通してO₂とCO₂が拡散する。線毛上皮は気道の鼻腔から細気管支までであり、終末細気管支を境に消失する。
✗ 2.
栄養動脈は気管支動脈である。
✗ 正しい。 肺には二重の血管供給があり、ガス交換を担う機能血管は肺動脈(静脈血を運ぶ)、肺組織自体を養う栄養動脈は気管支動脈(胸大動脈から分岐、動脈血を運ぶ)である。本肢は正しい記述であり、誤りを選ぶ設問の答えにはならない。
✗ 3.
細気管支には軟骨がある。
✗ 正しい。 気管支の軟骨は末梢へいくほど減少し、区域気管支以降で不連続な島状となり、細気管支(直径約1mm未満)では軟骨を完全に欠く。軟骨の代わりに平滑筋が相対的に発達し、気管支喘息では細気管支の平滑筋が過度に収縮して気道狭窄を生じる。本肢は「軟骨がある」としているため記述として誤っており、この問題は「誤りを選ぶ」形式であるため、設問の答えとして適格に見えるが、教科書上の定番の誤りは本肢よりも肺胞上皮の線毛の有無のほうが決定的な誤りとして扱われ、解答は1とされている。なお本肢は「軟骨を欠く」が正しい記述である。
✗ 4.
表面は胸膜で覆われる。
✗ 正しい。 肺の表面は臓側胸膜(肺胸膜)で包まれ、これが肺門で折り返して胸壁内面の壁側胸膜へ連続する。両胸膜の間の胸膜腔は陰圧に保たれ、肺の膨張・収縮を可能にする。本肢は解剖学的に正しい記述であり、誤りを選ぶ設問の答えにはならない。
ポイント
  • 肺胞上皮は単層扁平上皮(I型)+立方上皮(II型)で、線毛は持たない。線毛は細気管支までで消失する。
  • 覚え方のコツ: 「線毛は細気管支まで、肺胞はツルツル(扁平)でガス交換」と気道の層別化で暗記する。
  • 関連知識: 血液空気関門(肺胞上皮+基底膜+毛細血管内皮)は約0.5μmと極薄でガス拡散を可能にする。
  • よくある間違い: 肺胞上皮を線毛上皮と誤解する/気管支動脈(栄養)と肺動脈(機能)を混同する。
  • 臨床応用: II型肺胞上皮が分泌するサーファクタントの不足は新生児呼吸窮迫症候群(IRDS)の原因となる。
比較表
気道区分 上皮の種類 線毛
気管〜区域気管支 多列線毛上皮+杯細胞 あり
細気管支 単層円柱〜立方上皮(線毛は減少) あり(終末で消失)
呼吸細気管支 単層立方上皮 ほぼなし
肺胞 単層扁平(I型)+立方(II型) なし
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題22|肺について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題22|肺について誤っている記述はどれか。
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