
この図の解説
この図は歯を縦に割った断面である。左側の帯に注目すると、歯槽から外に露出している部分が歯冠、歯槽の中に埋まっている部分が歯根、その移行部でややくびれる部分が歯頸と、上から順に3つに区分される。右側のラベルでは、歯の芯となる硬組織がゾウゲ質で、これが歯全体の主体をつくる。歯冠ではゾウゲ質の外側を人体で最も硬いエナメル質がおおい、歯根ではゾウゲ質の外側を薄いセメント質がおおう。芯の中央に広がる歯髄には血管や神経が通り、根の先端に開く歯根管を通って出入りする。歯根は歯根膜を介して歯槽骨と結合しており、この釘のような固定様式を釘植という。歯冠と歯根で「ゾウゲ質を何が被うか」が違う点が図の最大のねらいである。
学習の要点
- 歯の主体はゾウゲ質で、歯冠ではエナメル質、歯根ではセメント質がその外側を被う。
- 覚え方のコツ: 露出する歯「冠」は硬いエナメルの王冠、埋まる歯「根」は骨につなぐセメントの根。エ=上、セ=下でセット。
- 関連知識: エナメル質はほぼカルシウムの無機質で人体最硬。歯髄・歯根管から入る血管神経は、顎の骨や顔面の血管神経系とつながる。
- よくある間違い: 歯冠の表面をエナメル質でなくセメント質と取り違える、歯根膜を歯冠側にあると誤認する。
- 臨床応用: 歯根膜・歯肉・セメント質・歯槽骨をまとめた歯周組織が侵されると歯が動揺し脱落する(歯槽膿漏)。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
歯根では、ゾウゲ質の外側を薄い( )が被い、さらに( )を介して歯を歯槽骨に固定している。空欄に入る語を順に答えよ。
答えを見る
答え: セメント質、歯根膜
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。