学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0266

理由で解く 解剖学

Q0266 消化器系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題23
問題
歯根の表面を構成しているのはどれか。
選択肢
1 象牙質
2 エナメル質
3 セメント質
4 歯肉
解答
正解3(セメント質)
解説
✗ 1. 誤り
象牙質
象牙質(ゾウゲ質)は歯の主体をなす硬組織であるが、歯冠部ではエナメル質、歯根部ではセメント質に覆われて表面には露出しない。歯根表面の構成要素ではない。
✗ 2. 誤り
エナメル質
エナメル質は歯冠部の表面を覆う人体で最も硬い組織である。歯頸部(歯冠と歯根の境界)までで終わっており、歯根表面には存在しない。
✓ 3. 正しい
セメント質
歯根の表面を覆うのがセメント質で、象牙質の上に薄い層として重なる特殊な硬組織である。骨に類似した構成(リン酸カルシウムを主体とする無機質+有機成分)を持ち、歯根膜のシャーピー線維がその中に埋入する。これを介して歯根膜→歯槽骨の順で連結され、歯は歯槽内にしっかり固定される。セメント質は歯根の位置と形態を維持し、咀嚼時の強い圧力に耐える支持機構の根幹となる。
✗ 4. 誤り
歯肉
歯肉は歯頸部周囲の粘膜と結合組織の層で、重層扁平上皮に覆われる軟組織である。歯根表面そのものではなく、歯頸部周囲を取り巻いて歯周組織の一部を構成する。
ポイント
  • 歯根の表面は骨類似の硬組織であるセメント質で覆われ、歯根膜を介して歯槽骨に固定される。
  • 覚え方のコツ: 歯冠=エナメル質(最硬)、歯根=セメント質(骨似)、芯=象牙質、中心腔=歯髄。外から内へ「エナメル/セメント→象牙→歯髄」と層で記憶する。
  • 関連知識: 歯根膜は線維性結合組織でシャーピー線維がセメント質と歯槽骨の両側へ埋入する。歯根膜・歯肉・セメント質・歯槽骨を合わせて歯周組織と呼ぶ。
  • よくある間違い: 歯根表面をエナメル質(歯冠部のみ)・象牙質(内層のみ)と混同。エナメル質は歯頸で終わる点を必ず押さえる。
  • 臨床応用: 歯周炎が進行すると歯肉ポケットから細菌が歯根膜・セメント質・歯槽骨を侵食し、歯の動揺・脱落(歯槽膿漏)を招く。中高年の歯喪失の主因である。
比較表
部位 硬組織の表層 内部構造 特徴
歯冠部 エナメル質 象牙質→歯髄 人体最硬・無細胞性・再生不能
歯頸部 エナメル質とセメント質の境 歯肉に覆われる 歯周ポケット形成の好発部
歯根部 セメント質 象牙質→歯髄→歯根管 骨類似・歯根膜が埋入
歯髄腔 (被覆なし) 血管・神経・結合組織 歯髄炎で強い痛みを生じる
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題23|歯根の表面を構成しているのはどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題23|歯根の表面を構成しているのはどれか。
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