学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0265

理由で解く 解剖学

Q0265 消化器系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題26
問題
口腔について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 歯根膜はセメント質の周囲にある。
2 口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
3 軟口蓋は口蓋の前方にある。
4 舌筋の一部は下顎骨から起こる。
解答
正解3(軟口蓋は口蓋の前方にある。)
解説
✗ 1.
歯根膜はセメント質の周囲にある。
✗ 正しい。 歯根膜(歯周靱帯)は歯根表面のセメント質と歯槽骨の間に位置する線維性結合組織であり、その記述は解剖学的に正確である。シャーピー線維で歯をしっかり歯槽内に支持する。
✗ 2.
口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
✗ 正しい。 口腔は食物の機械的刺激に絶えずさらされるため、口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。口唇・頬粘膜・舌・口蓋・歯肉などすべてこの上皮で覆われており、記述は正しい。
✓ 3. 誤り
軟口蓋は口蓋の前方にある。
口蓋は口腔の天井をなし、前2/3が骨性の硬口蓋(上顎骨口蓋突起と口蓋骨水平板)、後1/3が筋肉性の軟口蓋で構成される。軟口蓋は口蓋の後方であり「前方」と述べる本選択肢は誤り、したがって本問の正答(誤り選択)となる。軟口蓋は嚥下時に挙上して鼻腔と咽頭を遮断し、食物の鼻腔への逆流を防ぐ重要な可動性構造である。
✗ 4.
舌筋の一部は下顎骨から起こる。
✗ 正しい。 外舌筋には下顎骨のオトガイ棘から起こるオトガイ舌筋、舌骨から起こる舌骨舌筋、側頭骨の茎状突起から起こる茎突舌筋がある。したがって下顎骨から起こる舌筋が存在し、記述は正しい。
ポイント
  • 口蓋の前2/3が硬口蓋、後1/3が軟口蓋で、軟口蓋は口蓋の「後方」に位置する。
  • 覚え方のコツ: 「硬=前、軟=後」で覚える。後ろの軟口蓋は動いて鼻腔を閉じる(嚥下時)ため可動性が必要。
  • 関連知識: 硬口蓋は上顎骨口蓋突起+口蓋骨水平板の骨組織、軟口蓋は口蓋帆張筋・口蓋帆挙筋など横紋筋+粘膜。口蓋垂は軟口蓋後縁の突起。
  • よくある間違い: 軟口蓋と硬口蓋の前後を逆に覚える/軟口蓋を平滑筋と誤認する(実際は横紋筋)。
  • 臨床応用: 口蓋裂は胎生期の口蓋突起の癒合不全で生じ、哺乳障害・言語障害・中耳炎を合併する。形成手術により再建される。
比較表
構造 位置 組成 機能
硬口蓋 口蓋の前2/3 上顎骨口蓋突起+口蓋骨水平板 口腔天井の骨性支柱
軟口蓋 口蓋の後1/3 横紋筋+粘膜(口蓋垂含む) 嚥下時の鼻咽頭遮断
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題26|口腔について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題26|口腔について誤っている記述はどれか。
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