学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ B. 咽頭・喉頭 / Q0221

理由で解く 解剖学

Q0221 呼吸器系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題21
問題
喉頭について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 甲状軟骨は輪状軟骨と関節する。
2 喉頭隆起は甲状軟骨にある。
3 披裂軟骨は対をなす。
4 声帯靭帯は輪状軟骨に付く。
解答
正解4(声帯靭帯は輪状軟骨に付く。)
解説
✗ 1.
甲状軟骨は輪状軟骨と関節する。
✗ 正しい。 甲状軟骨の下角は輪状軟骨の側面と関節(輪状甲状関節)をつくる。この関節で甲状軟骨は前方に傾斜し、声帯靱帯が前後に引き伸ばされて声帯が緊張・伸展する。この動きが音程を高くする(高音発声)の本態であり、輪状甲状筋の収縮により生じる。正しい記述である。
✗ 2.
喉頭隆起は甲状軟骨にある。
✗ 正しい。 喉頭隆起(prominentia laryngea、「のど仏」)は甲状軟骨の左右の板が前正中で合わさる角部により形成される前方突出部である。男性で思春期以降発達し体表から明瞭に触知できる。正しい記述。
✗ 3.
披裂軟骨は対をなす。
✗ 正しい。 披裂軟骨は左右一対の三角錐状軟骨で、輪状軟骨の後上縁に乗り輪状披裂関節をつくる。喉頭軟骨のうち「対をなす」主な軟骨として押さえるべき存在である。正しい記述。
✓ 4. 誤り
声帯靭帯は輪状軟骨に付く。
声帯靱帯は前方では甲状軟骨の内面(正中付近)、後方では披裂軟骨の声帯突起に付着する。輪状軟骨に直接付着するわけではないため誤りである。輪状軟骨は披裂軟骨の土台となって輪状披裂関節をつくり、披裂軟骨を介して間接的に声帯の可動性に寄与するが、声帯靱帯の直接の付着部ではない。なお輪状軟骨上縁と甲状軟骨下縁の間には輪状甲状靱帯が張り、また輪状軟骨と気管の間は輪状気管靱帯で連結される。紛らわしい靱帯名の区別が重要で、試験では「声帯靱帯=甲状+披裂」「輪状甲状靱帯=輪状+甲状」と明瞭に区別する必要がある。
ポイント
  • 声帯靱帯は甲状軟骨(前)と披裂軟骨の声帯突起(後)に付着。輪状軟骨は土台であり直接付着部ではない。
  • 覚え方のコツ: 「声帯=甲状+披裂」「輪状は土台」と2段階で整理。輪状披裂関節が声帯開閉の主軸であることを図で視覚化する。
  • 関連知識: 輪状甲状関節は音程調節(声帯伸展)、輪状披裂関節は声帯開閉を担う2種類の喉頭関節。両者の協調で精密な発声が成立する。
  • よくある間違い: 「輪状軟骨=声帯の付着部」と短絡しやすい。輪状軟骨は披裂軟骨の土台を通じて間接的に関与するのみ。
  • 臨床応用: 緊急気道確保の輪状甲状靱帯切開(クリコイド切開)は輪状軟骨と甲状軟骨の間の靱帯を切開する手技で、声帯より下方を穿刺するため声帯を傷つけない。
比較表
関節・靱帯 連結部位 機能
輪状甲状関節 甲状軟骨下角×輪状軟骨側面 声帯の緊張・伸展(音程調節)
輪状披裂関節 輪状軟骨後上縁×披裂軟骨底 声帯の開閉・内転外転
声帯靱帯 甲状軟骨(内面)×披裂軟骨(声帯突起) 声帯の本体
輪状甲状靱帯 輪状軟骨×甲状軟骨 緊急気道確保の切開部位
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題21|喉頭について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題21|喉頭について誤っている記述はどれか。
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