学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0243

理由で解く 解剖学

Q0243 呼吸器系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題20
問題
左右の肺について正しい記述はどれか。
選択肢
1 左が右より容積が大きい。
2 左には水平裂がある。
3 右には心切痕がある。
4 右は上大静脈に接する。
解答
正解4(右は上大静脈に接する。)
解説
✗ 1. 誤り
左が右より容積が大きい。
左肺は心臓が左側に偏って位置する分だけ前下方を心臓に譲っており、右肺よりも容積が小さく重量も軽い。右肺は上・中・下の3葉、左肺は上・下の2葉からなるため葉数でも右>左であり、容積・重量・葉数のいずれも右肺が優勢である。
✗ 2. 誤り
左には水平裂がある。
水平裂は右肺にのみ存在し、上葉と中葉を分ける横向きの裂である。左肺には中葉そのものが存在しないため水平裂は描けず、斜裂(葉間裂)1本で上葉と下葉を分けるだけとなる。「水平裂があれば右肺」と即断できる識別点。
✗ 3. 誤り
右には心切痕がある。
心切痕(心圧痕)は心臓が左側に張り出している分、左肺上葉の前縁下方に生じるくぼみで、左肺に特有の構造である。心切痕の下方には舌のように突出する肺小舌が見られ、心臓に寄り添う解剖学的特徴をつくる。
✓ 4. 正しい
右は上大静脈に接する。
右肺の縦隔面には右心房・上下大静脈・奇静脈弓・食道などが圧痕として接し、特に上大静脈は右肺上葉内側に沿って下行するため右肺と直接接する。これは上大静脈が正中よりやや右寄りに位置し、右腕頭静脈と左腕頭静脈の合流点から右心房に至る走行による。左肺は大動脈弓と下行大動脈の圧痕を縦隔面に受ける。
ポイント
  • 上大静脈は右肺の縦隔面に圧痕を残し、右心房の上方から右心房に流入する。静脈系の本問の文脈では「右肺=上大静脈圧痕」が核。
  • 覚え方のコツ: 「右は3葉・水平裂あり」「左は2葉・心切痕と舌・大動脈弓の圧痕」とペア暗記。上大静脈は右寄りにあるので接するのは右肺。
  • 関連知識: 左腕頭静脈は腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈の前を水平に横切り、右腕頭静脈と合流して上大静脈となる。この合流点が右鎖骨の後方、胸骨角の右側にあたる。
  • よくある間違い: 心切痕を右肺にあると思い込む/水平裂を左肺に描いてしまう。心臓が左へ張り出すので「心切痕は左」と覚える。
  • 臨床応用: 上大静脈症候群では肺癌などが上大静脈を圧迫し、顔面・頸部・上肢の浮腫、頸静脈怒張、前胸壁の表在静脈拡張を呈する。右肺上葉腫瘍で特に起こりやすい。
比較表
項目 右肺 左肺
葉数 3葉(上・中・下) 2葉(上・下)
斜裂+水平裂 斜裂のみ
容積 大きい 小さい(心臓分)
心切痕・肺小舌 なし あり
縦隔面に接する主な静脈 上大静脈・奇静脈弓 (動脈)大動脈弓
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題20|左右の肺について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題20|左右の肺について正しい記述はどれか。
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