学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ B. 咽頭・喉頭 / Q0218

理由で解く 解剖学

Q0218 呼吸器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題24
問題
声帯について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 左右の声帯の間を声帯裂という。
2 声帯と声帯裂とを合わせて声門という。
3 声帯筋は迷走神経により支配される。
4 声帯は輪状軟骨に付く。
解答
正解4(声帯は輪状軟骨に付く。)
解説
✗ 1.
左右の声帯の間を声帯裂という。
✗ 正しい。 左右の声帯の間の裂隙は声帯裂(声門裂、rima glottidis)と呼ばれ、呼吸時に開き発声時に閉じる空気の通路となる。発声はこの裂隙を通る呼気が声帯を振動させることで生じる。正しい記述である。
✗ 2.
声帯と声帯裂とを合わせて声門という。
✗ 正しい。 声門(glottis)とは、左右の声帯(声帯ヒダ・声帯靱帯・声帯筋の総体)とその間の空間である声門裂とを合わせた発声装置の機能的総称をいう。声門の状態(開大・閉鎖・振動)により発声・呼吸・咳嗽が調節される。正しい記述である。
✗ 3.
声帯筋は迷走神経により支配される。
✗ 正しい。 喉頭内筋(声帯筋を含む輪状甲状筋以外のすべて)は迷走神経の枝である反回神経によって支配される。反回神経は迷走神経から分岐し、右では鎖骨下動脈、左では大動脈弓を下から回り込んで上行し喉頭に達するため、左反回神経は胸部内圧変化や大動脈瘤などの影響を受けやすい。正しい記述。
✓ 4. 誤り
声帯は輪状軟骨に付く。
声帯(声帯靱帯と声帯筋)は前方で甲状軟骨の内面(正中付近)に、後方で披裂軟骨の声帯突起に付着する。したがって付着する軟骨は甲状軟骨と披裂軟骨であり、輪状軟骨ではない。輪状軟骨は声帯の下方にあって喉頭全体を下から支える土台の役割を担い、披裂軟骨を背中合わせに乗せる輪状披裂関節を形成するため声帯の可動性には関与するが、声帯そのものが直接付着する軟骨ではない。したがって「声帯は輪状軟骨に付く」は誤りである。
ポイント
  • 声帯は前=甲状軟骨、後=披裂軟骨に付着。輪状軟骨には直接付着せず。声帯と声帯裂を合わせて声門という。
  • 覚え方のコツ: 「前甲状・後披裂」で声帯の両端を覚える。輪状軟骨は「声帯の土台」であって付着部ではないと区別。
  • 関連知識: 声帯を支配するのは迷走神経→反回神経(ただし輪状甲状筋のみ上喉頭神経外枝)。声帯上方には仮声帯(前庭ヒダ)があり、発声には寄与しない。
  • よくある間違い: 「声帯=輪状軟骨付着」と誤答しやすい。披裂軟骨が輪状軟骨の上に乗っているため混乱しやすいが、声帯自体は披裂軟骨の声帯突起に付く。
  • 臨床応用: 反回神経麻痺では同側声帯が正中位で固定し嗄声・誤嚥を生じる。甲状腺手術・肺癌・大動脈瘤などが原因。両側麻痺では呼吸困難を来し気管切開を要する。
比較表
構造 内容
声帯(声帯ヒダ) 声帯靱帯+声帯筋+粘膜
声帯裂(声門裂) 左右の声帯の間の裂隙
声門 声帯+声帯裂(発声装置の総称)
声帯の前方付着 甲状軟骨(内面正中)
声帯の後方付着 披裂軟骨の声帯突起
喉頭筋の支配 反回神経(迷走神経枝)、輪状甲状筋のみ上喉頭神経外枝
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題24|声帯について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題24|声帯について誤っている記述はどれか。
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