学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ B. 咽頭・喉頭 / Q0217

理由で解く 解剖学

Q0217 呼吸器系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題37
問題
喉頭隆起を形成しているのはどれか。
選択肢
1 舌骨
2 喉頭蓋軟骨
3 甲状軟骨
4 甲状腺
解答
正解3(甲状軟骨)
解説
✗ 1. 誤り
舌骨
舌骨は下顎底と甲状軟骨の間、喉頭の上方に位置するU字型の骨で、舌筋群・舌骨上筋群・舌骨下筋群の付着点となる。甲状軟骨より上方にあり、触れると甲状軟骨前面上縁の数cm上で独立した骨性隆起として触知されるが、前頸部中央で目立つ「のど仏」の隆起そのものを形成する構造ではない。
✗ 2. 誤り
喉頭蓋軟骨
喉頭蓋軟骨は甲状軟骨の裏側から舌のように後上方へ伸びる葉状軟骨で、喉頭内部に納まり体表には現れない。弾性軟骨からなり嚥下時に喉頭口を閉じる役割を持つが、頸部前面に突出する隆起を形成する構造ではない。
✓ 3. 正しい
甲状軟骨
甲状軟骨は盾状の左右の板が前方正中で合わさり、その合わさり角(正中喉頭切痕の下方)が前頸部中央に突出する。これが体表から「のど仏」として観察される喉頭隆起(prominentia laryngea)である。男性では思春期以降、テストステロンの作用で甲状軟骨の左右板の合わさり角が約90°と鋭角化し顕著に前方突出するため、男性で発達が目立つ二次性徴の一つとなる。女性では約120°と鈍角で隆起は目立たない。甲状軟骨は喉頭軟骨の中で最大であり、舌骨下筋群・咽頭収縮筋・声帯筋などの重要な付着部を提供する。
✗ 4. 誤り
甲状腺
甲状腺は甲状軟骨の下方・輪状軟骨や上部気管の前面を取り囲む蝶形の内分泌腺で、軟骨ではなく軟部組織である。頸部正中の突出(喉頭隆起)は甲状腺ではなく甲状軟骨によって形成される点に注意。甲状腺腫大時には頸部全体のふくらみを呈するが、のど仏の尖った隆起とは別である。
ポイント
  • 喉頭隆起(のど仏)は甲状軟骨の左右板が正中で合わさる角部で形成され、男性で顕著に突出する。
  • 覚え方のコツ: 「のど仏=甲状軟骨=盾の合わさり角」と視覚的にイメージ。男性の二次性徴で発達するのは声変わりと同時期。
  • 関連知識: 甲状軟骨は喉頭軟骨の中で最大。左右の板が合わさる上縁に上甲状切痕があり、その下が喉頭隆起となる。後角は上角・下角に分かれ、下角は輪状軟骨と輪状甲状関節を作る。
  • よくある間違い: 甲状腺(内分泌腺)と甲状軟骨(軟骨)の混同。甲状腺腫大と喉頭隆起は別物。
  • 臨床応用: 気管切開は輪状軟骨の下で行われるため、甲状軟骨(喉頭隆起)を体表ランドマークとして頸部の位置同定に使用する。甲状軟骨骨折は絞頸外傷で起こりうる。
比較表
軟骨 位置 体表から触れるか 特徴
甲状軟骨 最前上方 触れる(喉頭隆起) 最大、男性で発達
輪状軟骨 甲状軟骨の下、気管の上 触れる 指輪型、気管との境界
喉頭蓋軟骨 甲状軟骨の裏側上方 触れない 嚥下時喉頭口閉鎖
披裂軟骨 輪状軟骨後上縁、左右対 触れない 声帯靱帯付着
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題37|喉頭隆起を形成しているのはどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題37|喉頭隆起を形成しているのはどれか。
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