学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ A. 鼻腔・副鼻腔 / Q0215

理由で解く 解剖学

Q0215 呼吸器系

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題20
問題
鼻腔について正しいのはどれか。
選択肢
1 キーゼルバッハ部位は鼻中隔の前端部にある。
2 嗅上皮は鼻前庭にある。
3 上顎洞は下鼻道と交通する。
4 鼻涙管は中鼻道に開口する。
解答
正解1(キーゼルバッハ部位は鼻中隔の前端部にある。)
解説
✓ 1. 正しい
キーゼルバッハ部位は鼻中隔の前端部にある。
キーゼルバッハ部位は鼻中隔の前端部(前下部)にあり、外鼻孔に近く毛細血管が密に集まる部位である。直下には鼻中隔軟骨があり、機械的刺激(鼻をかむ・指で触るなど)を受けやすい。小児の鼻出血の大部分はこの部位からであり、圧迫止血(小鼻をつまむ)や局所の硝酸銀焼灼で対処される。「鼻出血の好発部位=鼻中隔前端のキーゼルバッハ」は臨床的にも頻出の基本事項である。鼻中隔の前方部という位置を、外側壁と混同しないよう正確に記憶する必要がある。
✗ 2. 誤り
嗅上皮は鼻前庭にある。
嗅上皮は鼻前庭ではなく、鼻腔天井(上鼻甲介上方〜鼻中隔上部)にある。鼻前庭は外鼻孔から奥2cmほどの部位で、重層扁平上皮でおおわれ鼻毛が生える濾過部であり、嗅覚受容は担わない。
✗ 3. 誤り
上顎洞は下鼻道と交通する。
上顎洞は下鼻道ではなく、中鼻道の外側壁にある半月裂孔を介して鼻腔と交通する。下鼻道に開口するのは鼻涙管のみである。上顎洞は副鼻腔中最大で、開口部が洞上方にあるため膿が貯留しやすい。
✗ 4. 誤り
鼻涙管は中鼻道に開口する。
鼻涙管は中鼻道ではなく「下鼻道」の前部に開口する。中鼻道に開口するのは上顎洞・前頭洞・前&中篩骨蜂巣の副鼻腔3種であり、鼻涙管は下鼻道に開く唯一の構造物である。
ポイント
  • キーゼルバッハ部位は鼻中隔前端部(前下部)にあり、鼻出血の最多発部位。
  • 覚え方のコツ: 「キーゼル=前下の中隔、嗅は上の天井、涙は下鼻道、上顎は中鼻道」と4つの位置をセットで暗記。
  • 関連知識: キーゼルバッハ部位には5本の動脈(前&後篩骨動脈・蝶口蓋動脈・大口蓋動脈・上唇動脈)が吻合する動脈叢が存在する。
  • よくある間違い: 「キーゼルバッハ=鼻腔外側壁」や「嗅上皮=鼻前庭」など、位置を取り違える頻出パターン。位置を鼻腔断面図で視覚的に固定する。
  • 臨床応用: 小児の鼻出血の90%はキーゼルバッハ部位由来。圧迫止血で止まらない場合は硝酸銀焼灼・電気焼灼・ベロック型止血法を段階的に用いる。
比較表
部位 位置 特徴
キーゼルバッハ部位 鼻中隔前端部 動脈叢、鼻出血の好発
嗅上皮(嗅部) 鼻腔天井(上鼻甲介上方〜鼻中隔上部) 嗅細胞、篩板直下
鼻前庭 外鼻孔直後2cm 重層扁平上皮、鼻毛
上顎洞開口部 中鼻道(半月裂孔) 副鼻腔最大
鼻涙管開口部 下鼻道前部 涙液排出路
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題20|鼻腔について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題20|鼻腔について正しいのはどれか。
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