学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0166

理由で解く 解剖学

Q0166 循環器系

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題19
問題
上大静脈に直接注ぐのはどれか。
選択肢
1 奇静脈
2 椎骨静脈
3 内頸静脈
4 肋間静脈
解答
正解1(奇静脈)
解説
✓ 1. 正しい
奇静脈
奇静脈は後胸壁の肋間静脈・半奇静脈・副半奇静脈・気管支静脈・食道静脈などを集めて脊柱右側を上行し、第4胸椎の高さで前方に弓状(奇静脈弓)に湾曲してから上大静脈の後面に直接注ぐ。上大静脈の直接流入枝は左右の腕頭静脈と奇静脈の3本で、奇静脈はそのうち唯一の後壁枝として重要。
✗ 2. 誤り
椎骨静脈
椎骨静脈は椎骨動脈に伴行して頸椎の横突孔を下行し、鎖骨下静脈または腕頭静脈に注ぐ。直接上大静脈に入るわけではなく、一段階手前の腕頭静脈を経由する。椎骨静脈は椎骨静脈叢(硬膜外静脈叢)とも交通し、弁を欠き体位で血流方向が変わる特徴がある。
✗ 3. 誤り
内頸静脈
内頸静脈は頸静脈孔から下行し、胸鎖関節の裏側で鎖骨下静脈と合流して腕頭静脈を形成する。この合流点が静脈角で、左側では胸管、右側では右リンパ本幹が注ぐ。上大静脈ではなく腕頭静脈が直接の終末である。
✗ 4. 誤り
肋間静脈
肋間静脈は胸壁の血液を集めて、右側は奇静脈に、左側は半奇静脈・副半奇静脈に注ぐ。最上部の1〜3肋間は最上肋間静脈→腕頭静脈という別ルートを取ることもあるが、いずれも上大静脈に直接注ぐものではない。奇静脈系を介して間接的に到達する。
ポイント
  • 上大静脈に直接注ぐのは「左右の腕頭静脈+奇静脈」の3本のみ。それ以外(椎骨・内頸・肋間など)はいずれも一段階介してから流入する。
  • 覚え方のコツ: 「上大=腕頭×2+奇」と3本セットで即答。奇静脈が上大静脈に直接入る珍しい後壁枝である点を意識。
  • 関連知識: 奇静脈は発生学的には右の上主静脈の名残で、左側の半奇静脈・副半奇静脈は左の上主静脈の不完全な退縮産物。これが左右非対称の成因。
  • よくある間違い: 椎骨静脈を上大静脈直接枝と取り違える/内頸静脈を上大静脈直接枝と誤記する。内頸静脈は必ず腕頭静脈を経由すると意識する。
  • 臨床応用: 上大静脈症候群は肺癌(特に右上葉)などの腫瘍が上大静脈を圧迫して生じ、顔面・頸部・上肢の浮腫、頸静脈怒張、胸壁皮静脈の拡張を呈する。奇静脈が側副路となる。
比較表
直接枝 集めるリンパ/血液
右腕頭静脈 右頭頸部+右上肢+右胸壁浅層
左腕頭静脈 左頭頸部+左上肢+左胸壁浅層
奇静脈 後胸壁(肋間静脈系)+気管支静脈+食道静脈の一部
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題19|上大静脈に直接注ぐのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題19|上大静脈に直接注ぐのはどれか。
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