学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ E. 胎児循環 / Q0167

理由で解く 解剖学

Q0167 循環器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題15
問題
胎児の臍静脈は生後どれに変化するか。
選択肢
1 索状の結合組織
2 肝静脈
3 脂肪組織
4 鼠径靭帯の一部
解答
正解1(索状の結合組織)
解説
✓ 1. 正しい
索状の結合組織
胎児の臍静脈は胎盤から酸素・栄養に富んだ血液を胎児の肝臓へ運ぶ血管であるが、出生後は血流が途絶えて閉鎖し、索状の結合組織である肝円索(肝鎌状間膜の下縁)となる。同様に、静脈管は静脈管索、臍動脈は臍動脈索(または内側臍索)、動脈管はボタロー管索へ変化する。
✗ 2. 誤り
肝静脈
肝静脈は胎生期から機能する血管で、肝臓から下大静脈へ血液を送る。臍静脈の遺残ではない。
✗ 3. 誤り
脂肪組織
臍静脈は閉鎖後に線維化して索状の結合組織となるのであって、脂肪組織化するわけではない。
✗ 4. 誤り
鼠径靭帯の一部
鼠径靭帯は外腹斜筋腱膜の下縁が肥厚したもので、腹部と大腿の境界を走る強靭な結合組織である。臍静脈の遺残とは無関係。
ポイント
  • 臍静脈は出生後に閉鎖し、索状の結合組織である肝円索となる。
  • 覚え方のコツ: 「胎児循環の4連動→索」で覚える。臍静脈→肝円索、静脈管→静脈管索、動脈管→動脈管索、臍動脈→臍動脈索。
  • 関連知識: 胎児循環は胎盤でガス交換し、臍静脈→静脈管(肝を迂回)→下大静脈→卵円孔・動脈管(肺を迂回)→体循環という特殊なルート。出生により卵円孔は卵円窩に、動脈管はボタロー管索に変化。
  • よくある間違い: 臍静脈を「肝静脈の元」と混同する/静脈管と臍静脈を取り違える(臍静脈→肝円索、静脈管→静脈管索)。
  • 臨床応用: 動脈管が生後も開存する動脈管開存症(PDA)や、卵円孔開存は先天性心疾患の代表。門脈圧亢進症では閉鎖した臍静脈周囲に側副血行路(腹壁静脈怒張=メドゥーサの頭)が発達する。
比較表
胎児期の構造 生後の名称 部位
臍静脈 肝円索 肝鎌状間膜の下縁
静脈管(アランチウス管) 静脈管索 肝門〜下大静脈間
動脈管(ボタロー管) 動脈管索 大動脈弓〜肺動脈幹間
臍動脈 臍動脈索(内側臍索) 内腸骨動脈〜臍
卵円孔 卵円窩 右心房中隔
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題15|胎児の臍静脈は生後どれに変化するか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題15|胎児の臍静脈は生後どれに変化するか。
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