学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0781

理由で解く 解剖学

Q0781 運動器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題16
問題
最も大きい椎体をもつ椎骨はどれか。
選択肢
1 第3 頸椎
2 第7 頸椎
3 第12 胸椎
4 第5 腰椎
解答
正解4(第5 腰椎)
解説
✗ 1. 誤り
第3 頸椎
第3頸椎の椎体は小さく前後径の短い楕円形で、頭部を支えるための特殊な形状をとる。頸椎は脊柱の最上位にあって頭部のみを支えればよく、荷重負担が小さいため椎体は小型にとどまる。椎孔はむしろ横に広がって三角形に近くなる点が特徴である。
✗ 2. 誤り
第7 頸椎
第7頸椎(隆椎)は胸椎との移行部にあり形態は胸椎に近づくものの、椎体そのものは頸椎レベルに留まり腰椎椎体に比べるときわめて小さい。隆椎は長い棘突起が垂直後方に出て体表から触知できる点で際立つが、椎体の大きさは最大ではない点に注意する。
✗ 3. 誤り
第12 胸椎
胸椎の椎体は下方に向かうほど大きくなり、第12胸椎の椎体は頸椎よりも明らかに大きいが、腰椎椎体には及ばない。胸椎は肋骨が関節する肋骨窩を椎体後外側に備え、体幹の基本骨格として胸郭を支える点に特徴がある。
✓ 4. 正しい
第5 腰椎
腰椎は上半身の全体重を支える役割をもつため、椎体は太く大きく椎間円板も厚く変化する。5個の腰椎の中でも最下位の第5腰椎は仙骨に荷重を受け渡す位置にあり、全椎骨の中で椎体が最大となる。棘突起は水平後方に出て短く幅広く、肋骨は退化して横突起に癒合し、その残存部は肋骨突起として側方に突出する。上関節突起は後方に突出して内面の関節面を弯曲させ、椎間関節の可動性は胸椎より高い。棘突起間の広い隙間は腰椎穿刺の経路として臨床的にも重要である。
ポイント
  • 椎体の大きさは上方から下方に向かうほど順次増大し、最大は第5腰椎、最小は頸椎上位である。これは上位ほど支える体重が小さく、下位ほど大きくなるという力学的要請を反映している。
  • 覚え方のコツ: 「下にいくほど椎体は太く大きく」とイメージ。頸椎(小)→胸椎(中)→腰椎(大)→仙骨(癒合して基盤化)の順で記憶。L5は「全椎骨中チャンピオン」と覚える。
  • 関連知識: 椎体同士を連結する椎間円板(線維輪+髄核)も腰部で最も厚い。腰椎の椎間円板は脊柱の長さの約1/4を占める椎間円板全体の中でも厚く、髄核ヘルニアはL3-L4間、L4-L5間に好発する。
  • よくある間違い: 「下方ほど大きい=仙骨が最大」と誤解しがち。仙骨は5個の仙椎が癒合して横幅こそ広いが、椎体としては5個合わさった形状であり、単一の椎骨としての椎体最大はL5である。
  • 臨床応用: L4-L5間は可動域が大きく荷重も集中するため、椎間板ヘルニア・腰椎分離すべり症の好発部位。L4/L5棘突起間はヤコビー線の基準として腰椎穿刺の穿刺部位に選ばれる。
比較表
椎骨 個数 椎体の特徴 棘突起 特殊構造
頸椎 7 小さく楕円形 短く2裂(中位) 横突孔・隆椎(C7)
胸椎 12 中等大 長く下後方傾斜 肋骨窩・横突肋骨窩
腰椎 5 最大・太い 水平後方で幅広 肋骨突起・乳頭突起
仙骨 1(5個癒合) 癒合して基盤 正中仙骨稜 仙骨管・仙骨裂孔
尾骨 1(3-5個癒合) 退化 不明瞭 痕跡的
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題16|最も大きい椎体をもつ椎骨はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題16|最も大きい椎体をもつ椎骨はどれか。
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