
この図の解説
図は仙骨を上・前・後・側方の4方向から並べた標本写真である。まず全体の形を見てほしい。上が広く下が急に細る「逆三角形」で、上面の底辺にあたる部分が仙骨底、尖った下端が仙骨尖である。これは体重を一手に支える脊柱が、仙骨下半で荷重を寛骨へ受け渡して小さくなった結果だ。前面(右上)では椎体癒合の名残である4本の横線と、その外側で神経が出る前仙骨孔4対に注目する。後面(左下)では正中を走る正中仙骨稜、その外側の中間仙骨稜・外側仙骨稜、そして下端で仙骨管が開く仙骨裂孔と、両側の仙骨角を確認する。側面(右下)のL字型の面が耳状面で、寛骨(腸骨)と仙腸関節をつくる面である。前面の上端に前方へ突き出す岬角も押さえておこう。
学習の要点
- 仙骨は5個の仙椎が癒合した1個の骨。上面=仙骨底、その前端=岬角、下端=仙骨尖という上下の名称を最初に固定する。
- 覚え方のコツ: 後面の3本の稜線は「棘・関・横」=内側から正中仙骨稜(棘突起)・中間仙骨稜(関節突起)・外側仙骨稜(横突起)に相当。椎骨の突起が縦に連なった名残と結びつけると忘れない。
- 関連知識: 前・後仙骨孔は各4対で、椎間孔が仙骨内に取り込まれたもの。仙骨神経の前枝は前仙骨孔、後枝は後仙骨孔から別々に出る。前面の横線は椎体癒合部(元の椎間円板)の跡。
- よくある間違い: 岬角は仙骨の「前上端」であって下端ではない。下端は仙骨尖。また仙骨裂孔は仙骨管の下端の開口で、その両側の盛り上がりが仙骨角。
- 臨床応用: 岬角は分界線(骨盤上口)の後端をなし、産科での骨盤計測の基準となる。耳状面がつくる仙腸関節は靭帯で固められた半関節で、可動性はほとんどない。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
仙骨が腸骨と関節(仙腸関節)をつくる、外側面のL字型の関節面を( )という。
答えを見る
答え: 耳状面
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。