
この図の解説
頭部の正中断面図で、鼻腔の天井付近に黄色く描かれた神経のひろがりに注目したい。鼻腔の後上部の粘膜は嗅覚を受け持つ嗅粘膜(嗅上皮)で、ここに嗅神経が分布する。図では嗅上皮から立ちのぼる細い糸が束になり、鼻腔と頭蓋腔を隔てる骨の板を貫いている。この板が篩骨の篩板(篩骨篩板)で、多数の小孔があいており、嗅神経の糸はこの孔を通って頭蓋腔へ入る。板の上側でふくらんだ構造が嗅球で、嗅神経はここに接続する。嗅球から後方へ伸びる帯が嗅索で、脳へと情報を送る。嗅上皮→嗅神経→篩骨篩板→嗅球→嗅索という下から上・後方への一連の流れを、図の位置関係でつかんでおきたい。
学習の要点
- 嗅覚を担う嗅上皮(嗅粘膜)は鼻腔の後上部に位置し、そこに分布する嗅神経が篩骨篩板を貫いて嗅球に達する。
- 覚え方のコツ: 下から順に「嗅上皮→篩板→嗅球→嗅索」。板(篩板)を境に、下が鼻腔・上が頭蓋腔と分けて覚える。
- 関連知識: 嗅神経は第I脳神経で、12対の脳神経のうち最も前方から出る。鼻粘膜の大部分は加温・加湿・除塵を担うが、後上部のごく一部だけが嗅覚専用の領域となる。
- よくある間違い: 鼻出血で有名なキーゼルバッハ部位(鼻中隔前端)と、嗅上皮(後上部)を取り違える。位置も役割も別物。
- 臨床応用: 頭部打撲で篩骨篩板が骨折すると嗅神経が断たれ、嗅覚障害を残すことがある。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
嗅覚を受け持つ嗅上皮(嗅粘膜)は、鼻腔の( )部に位置する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 後上(上)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。