学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0191

理由で解く 解剖学

Q0191 循環器系

出典:あマ指 第13回(2005) 問題33
問題
健常成人の脾臓について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腹腔の左上部にある。
2 表面は腹膜に包まれている。
3 赤脾髄で赤血球が産生される。
4 白脾髄でリンパ球が産生される。
解答
正解3(赤脾髄で赤血球が産生される。)
解説
✗ 1.
腹腔の左上部にある。
脾臓は腹腔の左上部、胃の後方で横隔膜に接して位置する。体表では左側胸部(第10肋骨付近)の胸郭下方に隠れている。腹腔の左上部にあるという記述は正しい。
✗ 2.
表面は腹膜に包まれている。
脾臓の表面は漿膜である腹膜で覆われた腹膜内臓器である。腹膜の付け根の部分で脾門というくぼみをなし、脾動静脈・神経・リンパ管が出入りする。表面が腹膜に包まれるという記述は正しい。
✓ 3. 誤り
赤脾髄で赤血球が産生される。
赤脾髄は赤血球で満たされて暗赤色を呈するが、ここは赤血球を「産生」する場ではなく、古くなった赤血球を「破壊」する場である。赤脾髄の洞様毛細血管(脾洞)周囲にはマクロファージが豊富で、壁を通り抜けてきた老化赤血球を貪食し、ヘモグロビンをビリルビンに分解する。健常成人における赤血球産生(造血)は骨髄で行われる。胎児期には脾臓も一時的に造血するが、成人では造血機能をもたない。
✗ 4.
白脾髄でリンパ球が産生される。
白脾髄はリンパ小節からなり、内部の胚中心でBリンパ球が盛んに増生され抗体産生に関わる。白脾髄でリンパ球が産生(増生)されるという記述は正しい。脾臓は血液中の病原体を捕捉してBリンパ球応答を誘発する二次リンパ性器官である。
ポイント
  • 赤脾髄は赤血球を「破壊」する場であり、「産生」する場ではない(成人の赤血球産生は骨髄)。
  • 覚え方のコツ: 「赤脾髄=老化赤血球の墓場(マクロファージ貪食)」「白脾髄=リンパ球の工場(胚中心)」と赤白で機能分担。
  • 関連知識: ヘモグロビンが分解されてできたビリルビンは脾静脈→門脈→肝臓へ送られ、胆汁色素として排泄される。胎児期には脾臓も一時的に造血する。
  • よくある間違い: 「脾臓=造血器官」と丸暗記する(胎児期のみ)/赤脾髄と白脾髄の機能を逆に覚える/脾臓を腹膜後器官と誤る。
  • 臨床応用: 溶血性貧血では脾臓での赤血球破壊が亢進し、脾腫を呈する。遺伝性球状赤血球症では脾摘が根治的治療となる。
比較表
部位 構造 機能
赤脾髄 脾洞(洞様毛細血管)+細網組織 老化赤血球の破壊、マクロファージによる貪食
白脾髄 リンパ小節(胚中心) Bリンパ球の増生、抗体産生
脾門 被膜のくぼみ 脾動静脈・神経・リンパ管の出入り
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題33|健常成人の脾臓について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題33|健常成人の脾臓について誤っている記述はどれか。
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