学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0189

理由で解く 解剖学

Q0189 循環器系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題28
問題
胸腺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 縦隔内に位置する。
2 思春期を過ぎると退縮する。
3 皮質と髄質が区別される。
4 胸管が出入りする。
解答
正解4(胸管が出入りする。)
解説
✗ 1.
縦隔内に位置する。
胸腺は胸骨のすぐ後ろ、縦隔の前部から上部にかけて位置する左右1対の器官である。縦隔内(前上縦隔)に位置するという記述は正しい。乳幼児では心臓の前方を覆うように発達している。
✗ 2.
思春期を過ぎると退縮する。
胸腺は乳幼児期に最もよく発達し、思春期をピークにその後次第に退縮して成人では小さな臓器となり、老年期には脂肪組織に置換される。思春期を過ぎると退縮するという記述は正しい。
✗ 3.
皮質と髄質が区別される。
胸腺内部は細網組織からなり、顕微鏡でみると、リンパ球が密に集まる「皮質」と、より明るい「髄質」が明瞭に区別される。胸腺小体(Hassall小体)は髄質に存在する。皮質・髄質が区別されるという記述は正しい。
✓ 4. 誤り
胸管が出入りする。
胸腺は細網組織からなるリンパ系器官でありながら、リンパ管が直接出入りしないのが構造上の大きな特徴である。Tリンパ球前駆細胞は骨髄から「血管系」を介して胸腺に入り、成熟後は「血管系」を介して全身のリンパ系器官に分配される。したがって「胸管」(全身のリンパ本幹)が胸腺を出入りすることはなく、この記述は誤り。胸管は脊柱前面を上行して左静脈角に注ぐ経路で、胸腺とは別系統である。
ポイント
  • 胸腺にはリンパ管が直接出入りせず、Tリンパ球は血管系を介して出入りする。
  • 覚え方のコツ: 「胸腺=血管系で出入り/他のリンパ系器官=リンパ管」と対比して覚える。リンパ小節もなし。
  • 関連知識: 胸腺は前上縦隔にある左右1対、皮質と髄質に分かれる。髄質には特有のHassall小体(胸腺小体)があり、上皮細胞が渦巻状に重なる。
  • よくある間違い: 胸腺に胸管が注ぐと誤解する/胸腺にリンパ小節があると考える/髄質と皮質の位置を逆に覚える。
  • 臨床応用: 胸腺腫は重症筋無力症・赤芽球癆の合併が多く、縦隔腫瘍の代表。CTで前上縦隔腫瘤として描出される。
比較表
胸腺の特徴 内容
位置 前上縦隔(胸骨後方・心臓の前方)
内部構造 皮質(密)と髄質(疎)、Hassall小体
リンパ小節 なし
リンパ管の出入り なし(血管系で細胞が出入り)
加齢変化 思春期以降退縮、老年で脂肪化
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題28|胸腺について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題28|胸腺について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手