学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0188

理由で解く 解剖学

Q0188 循環器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題30
問題
リンパ本幹について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 乳び槽は腰リンパ本幹と腸リンパ本幹の合流部にある。
2 右リンパ本幹は右下半身のリンパを集める。
3 胸管は大動脈裂孔を通過する。
4 胸管は左静脈角に入る。
解答
正解2(右リンパ本幹は右下半身のリンパを集める。)
解説
✗ 1.
乳び槽は腰リンパ本幹と腸リンパ本幹の合流部にある。
乳び槽は腰リンパ本幹(下半身のリンパ)と腸リンパ本幹(腸管の乳び)が横隔膜の大動脈裂孔付近で合流してできる袋状の膨らみで、大動脈の後方に位置する。胸管の起始部であり、記述は正しい。
✓ 2. 誤り
右リンパ本幹は右下半身のリンパを集める。
右リンパ本幹が集めるのは「右上半身」であり、右下半身ではない。具体的には右頸リンパ本幹(右頭頸部)と右鎖骨下リンパ本幹(右上肢・右乳房)が合流してできる短いリンパ本幹で、右の静脈角に注ぐ。右下半身を含むその他の全身(左上半身+両下半身)のリンパはすべて胸管を経由して左静脈角に入るため、本選択肢は誤っている。
✗ 3.
胸管は大動脈裂孔を通過する。
胸管は乳び槽から始まり、横隔膜の大動脈裂孔を通って胸腔に入り、脊柱の前方を上行する。大動脈・食道とともに大動脈裂孔を通過する構造物の代表で、記述は正しい。
✗ 4.
胸管は左静脈角に入る。
胸管は胸郭上口を抜けて頸部に出て、左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部である左静脈角に注ぎ込む。左鎖骨下リンパ本幹と左頸リンパ本幹も胸管上端で合流してくる。記述は正しい。
ポイント
  • 右リンパ本幹は「右上半身」のみを集める。右下半身のリンパは胸管経由で左静脈角に注ぐ。
  • 覚え方のコツ: 「右リンパ本幹=右上半身」「胸管=左+下半身+右下も」と2経路を整理。乳び槽(大動脈裂孔)は胸管の起点。
  • 関連知識: 胸管は長さ約35〜45cm、多数の弁を持ち、乳び槽→大動脈裂孔→脊柱前面を上行→左静脈角。腸リンパ本幹からは脂肪豊富な乳びも入る。
  • よくある間違い: 右リンパ本幹を「右半身全体」と覚えてしまう/胸管が右静脈角に注ぐと誤る/乳び槽の位置を横隔膜上方と誤る。
  • 臨床応用: 胸管損傷は胸部外傷・食道癌手術・鎖骨下静脈穿刺の合併症となり、乳び胸や乳び腹をきたす。左鎖骨上窩リンパ節腫大(Virchow徴候)は胃癌転移の示唆所見。
比較表
本幹 集める領域 注ぐ部位
胸管 右上半身以外の全身 左静脈角
右リンパ本幹 右上半身(頭頸部・上肢・乳房) 右静脈角
乳び槽 腰リンパ本幹+腸リンパ本幹の合流 胸管へ移行(大動脈後方)
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題30|リンパ本幹について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題30|リンパ本幹について誤っている記述はどれか。
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