学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0187

理由で解く 解剖学

Q0187 循環器系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題33
問題
加齢とともに脂肪組織に変化するリンパ器官はどれか。
選択肢
1 扁桃
2 リンパ節
3 脾臓
4 胸腺
解答
正解4(胸腺)
解説
✗ 1.
扁桃
扁桃は小児期にかけて一時的に肥大しやすいが、加齢により全体として脂肪組織に置換されるわけではない。一部のリンパ小節が縮小することはあるが、器官全体の脂肪変性は胸腺ほど明確ではない。
✗ 2.
リンパ節
リンパ節は生涯を通じてリンパ濾過・免疫応答の場として機能し続け、加齢による機能低下はあっても大部分が脂肪組織に置き換わることはない。慢性炎症や悪性腫瘍転移で腫大する局所性変化はあるが、全体としては形態を保つ。
✗ 3.
脾臓
脾臓は加齢で若干萎縮し機能が低下することはあるが、器官の大部分が脂肪組織に置換されることはない。成人でも赤脾髄での赤血球破壊・白脾髄でのリンパ球活性化という本来の機能を保ち続ける。
✓ 4. 正しい
胸腺
胸腺は乳幼児期に最もよく発達し心臓の前方を覆うように広がるが、思春期を過ぎると次第に退縮し、成人では心臓の上方に位置する小さな臓器になる。老年期にはリンパ組織の大部分が脂肪組織に置き換わり、機能的にもほぼ消失する。この現象を胸腺退縮(thymic involution)と呼び、加齢性免疫低下の一因となる。
ポイント
  • 胸腺は乳幼児期に最大、思春期以降退縮し、老年期には脂肪組織に置き換わる(胸腺退縮)。
  • 覚え方のコツ: 「胸腺は子供の臓器、大人で退縮、老人で脂肪」とライフステージで捉える。ピークは思春期前。
  • 関連知識: 胸腺はTリンパ球前駆細胞をTリンパ球に成熟させる一次リンパ性器官。骨髄から来た細胞を教育して全身へ分配する司令塔。
  • よくある間違い: 胸腺が成人以降も発達し続けると誤解する/甲状腺と混同する(位置も役割も別)。
  • 臨床応用: 加齢による胸腺退縮はT細胞レパートリー減少=免疫老化の主因。高齢者で新規感染症・ワクチン応答が低下する背景にある。
比較表
リンパ器官 加齢変化 ピーク時期
胸腺 退縮→脂肪組織に置換 思春期前
扁桃 小児期に肥大、以降は穏やかな縮小 学童期
リンパ節 機能低下はあるが形態保持 生涯機能
脾臓 軽度萎縮、機能は保持 成人以降安定
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題33|加齢とともに脂肪組織に変化するリンパ器官はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題33|加齢とともに脂肪組織に変化するリンパ器官はどれか。
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