学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ L. 上肢の局所解剖・脈管・神経 / Q0968

理由で解く 解剖学

Q0968 運動器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題29
問題
前腕の動脈について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 尺骨動脈は手根管を通る。
2 尺骨動脈は浅掌動脈弓を形成する。
3 橈骨動脈は上腕動脈から分岐する。
4 橈骨動脈の脈拍は触知できる。
解答
正解1(尺骨動脈は手根管を通る。)
解説
✓ 1. 誤り
尺骨動脈は手根管を通る。
(設問は「誤っている記述はどれか」のため、これが正解。) 尺骨動脈は手根管ではなく、屈筋支帯の浅層にある尺骨神経管(ギヨン管)を尺骨神経とともに通って手掌に入る。手根管を通るのは長母指屈筋腱・浅指屈筋腱・深指屈筋腱(計9本)と正中神経であり、動脈は通らない。このため手根管症候群では正中神経の圧迫症状(母指球筋麻痺・橈側3指半の感覚異常)が出るが、尺骨動脈の血流障害は生じない。ギヨン管症候群では尺骨神経麻痺(鷲手)が出現する。
✗ 2.
尺骨動脈は浅掌動脈弓を形成する。
✗ 正しい。(記述は正しい。) 尺骨動脈の主幹は手掌で浅掌動脈弓を形成し、橈骨動脈の浅掌枝と吻合する。深掌動脈弓は主に橈骨動脈の続きで形成される。
✗ 3.
橈骨動脈は上腕動脈から分岐する。
✗ 正しい。(記述は正しい。) 上腕動脈は肘窩で橈骨動脈と尺骨動脈に二分する。橈骨動脈は前腕外側(橈側手根屈筋の外側)を下行する。
✗ 4.
橈骨動脈の脈拍は触知できる。
✗ 正しい。(記述は正しい。) 橈骨動脈は手首の橈骨茎状突起上で橈側手根屈筋の外側に浅く走り、脈拍測定の代表的な部位となる。
ポイント
  • 尺骨動脈は尺骨神経管(ギヨン管)を通り、手根管は通らない。手根管を通るのは正中神経と9本の屈筋腱のみ。
  • 覚え方のコツ: 「手根管=神経1本+腱9本(動脈なし)」「ギヨン管=尺骨神経+尺骨動脈」とペアで暗記する。
  • 関連知識: 手掌の動脈弓は浅掌(尺骨動脈主体)と深掌(橈骨動脈主体)の2層構造。アレン試験で両動脈の開通を確認する。
  • よくある間違い: 「手根管を通る血管は尺骨動脈」と取り違える/橈骨動脈を腋窩動脈の直接分枝と誤認する。
  • 臨床応用: 手根管症候群は正中神経単独の圧迫で動脈症状なし/ギヨン管症候群では尺骨神経麻痺に加え手内の血行障害が起こりうる。
比較表
通路 通過構造
手根管 正中神経、長母指屈筋腱、浅指屈筋腱4本、深指屈筋腱4本
尺骨神経管(ギヨン管) 尺骨神経、尺骨動脈
橈骨茎状突起上 橈骨動脈(脈拍触知部位)
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題29|前腕の動脈について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題29|前腕の動脈について誤っている記述はどれか。
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