学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0185

理由で解く 解剖学

Q0185 循環器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題27
問題
リンパ小節をもたないのはどれか。
選択肢
1 扁桃
2 脾臓
3 パイエル板
4 胸腺
解答
正解4(胸腺)
解説
✗ 1.
扁桃
扁桃は咽頭粘膜にできたリンパ小節の集団そのものであり、粘膜の陰窩(深いくぼみ)の下に多数のリンパ小節が並ぶ。口蓋扁桃・咽頭扁桃・耳管扁桃・舌扁桃がワルダイエルの咽頭輪を構成する。
✗ 2.
脾臓
脾臓は赤脾髄と白脾髄からなり、白脾髄そのものがリンパ小節の集合体である。白脾髄中心にある胚中心ではBリンパ球が盛んに増生し抗体産生の場となる。したがって脾臓は明確にリンパ小節をもつ臓器である。
✗ 3.
パイエル板
パイエル板(集合リンパ小節)は、その名の通り回腸粘膜下に多数のリンパ小節が集合した楕円形の隆起であり、リンパ小節の典型的な集合体である。腸管関連免疫の重要な場となる。
✓ 4. 誤り
胸腺
胸腺は細網組織からなるリンパ系器官でありながら、内部にリンパ小節を認めないのが最大の特徴である。皮質と髄質に分かれるが胚中心を持たず、直接のリンパ管の出入りもない。胸腺は骨髄由来のTリンパ球前駆細胞がここで成熟して機能分化する一次リンパ性器官であり、抗体産生の場ではないため、リンパ小節(Bリンパ球が胚中心で増生する構造)を必要としない。
ポイント
  • 胸腺は皮質と髄質に分かれるが、リンパ小節(胚中心)をもたない唯一のリンパ系器官である。
  • 覚え方のコツ: 「胸腺はT細胞教育の場、B細胞の抗体工場(=リンパ小節)ではない」と機能で対比。B細胞=胚中心=リンパ小節、T細胞=胸腺=小節なし。
  • 関連知識: 胸腺にはリンパ管が直接出入りせず、血管系を介してTリンパ球が分配される。他のリンパ系器官はすべて輸出入リンパ管をもつ。
  • よくある間違い: 「リンパ系器官ならすべてリンパ小節をもつ」と誤解する/胸腺と甲状腺を混同する。
  • 臨床応用: 胸腺腫は重症筋無力症の約15〜20%に合併する。新生児期の胸腺切除は重度の免疫不全を引き起こす。
比較表
器官 リンパ小節の有無 主機能
扁桃 あり(多数) 咽頭の粘膜免疫・Bリンパ球応答
脾臓 あり(白脾髄) 血液濾過・赤血球破壊・Bリンパ球応答
パイエル板 あり(集合) 腸管免疫・Bリンパ球応答
胸腺 なし Tリンパ球の成熟・分化
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題27|リンパ小節をもたないのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題27|リンパ小節をもたないのはどれか。
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