学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0184

理由で解く 解剖学

Q0184 循環器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題27
問題
リンパ系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 舌扁桃は舌尖にある。
2 輸入リンパ管はリンパ節の門を通る。
3 脾洞は血液で満たされる。
4 胸腺は思春期以後発達する。
解答
正解3(脾洞は血液で満たされる。)
解説
✗ 1.
舌扁桃は舌尖にある。
舌扁桃は舌尖ではなく舌根の粘膜にあるリンパ小節の集合体である。舌根背面に多数の小隆起として並び、咽頭扁桃・耳管扁桃・口蓋扁桃とともにワルダイエルの咽頭輪を構成する。舌尖は舌の先端で味覚や運動を担う部分であり、リンパ組織の集積はない。
✗ 2.
輸入リンパ管はリンパ節の門を通る。
リンパ節の門(リンパ門)を通るのは輸出リンパ管で、ここから動静脈も出入りする。輸入リンパ管は被膜を貫いてリンパ節の表面全体から多数が流入する。入口と出口が明確に分離されている点がリンパ節の構造的特徴である。
✓ 3. 正しい
脾洞は血液で満たされる。
脾洞は脾臓の赤脾髄にある内腔の広い洞様毛細血管で、脾動脈から中心動脈、筆毛動脈、莢動脈を経て血液が注ぎ込む。通常の毛細血管と異なり、壁を赤血球が容易に通り抜けて周囲の細網組織に出入りでき、マクロファージによる古い赤血球の破壊や異物処理が行われる。このため脾洞はリンパ液ではなく血液で満たされている。
✗ 4.
胸腺は思春期以後発達する。
胸腺は乳幼児期に最もよく発達し、思春期を過ぎると次第に退縮して成人では小さくなり、高齢ではその大部分が脂肪組織に置換される。思春期以後に発達するのではなく、むしろ退縮に向かう。
ポイント
  • 脾洞は赤脾髄にある洞様毛細血管で、赤血球が壁を通り抜けて細網組織に出入りし、マクロファージにより破壊される。
  • 覚え方のコツ: 「脾臓は“血液の濾過装置”」と覚える。脾洞=血液、リンパ節=リンパ液、胸腺=T細胞教育、と器官ごとに中身をセットで整理。
  • 関連知識: 脾動脈→中心動脈(白脾髄貫通)→筆毛動脈→莢動脈→脾洞→脾静脈→門脈、という血流路を押さえる。赤血球のヘモグロビンはビリルビンに分解され胆汁色素となる。
  • よくある間違い: 脾洞をリンパ洞と混同する/輸入リンパ管がリンパ門から入ると誤解する/胸腺が思春期以降に発達すると誤る。
  • 臨床応用: 脾機能亢進症では赤血球・血小板の破壊が過剰となり汎血球減少を呈する。脾摘後は肺炎球菌などの莢膜菌感染リスクが高まる。
比較表
器官 内容物 出入り口の特徴
リンパ節 リンパ液 輸入:被膜から多数、輸出:リンパ門から1〜数本
脾臓(脾洞) 血液 脾門から脾動静脈・リンパ管が出入り
胸腺 リンパ球(T細胞) 直接のリンパ管の出入りなし
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題27|リンパ系について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題27|リンパ系について正しい記述はどれか。
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