学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0110

理由で解く 解剖学

Q0110 循環器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題26
問題
鎖骨下動脈で栄養されない器官はどれか。
選択肢
1
2 甲状腺
3 僧帽筋
4 心臓
解答
正解4(心臓)
解説
✗ 1. 誤り
脳は内頸動脈と椎骨動脈の4本で栄養される。このうち椎骨動脈は鎖骨下動脈の最初の太い枝で、頸椎横突孔を上行し脳底動脈となって脳後方1/4を養う。鎖骨下動脈は脳血流の一翼を担う。
✗ 2. 誤り
甲状腺
甲状腺は鎖骨下動脈の枝である甲状頸動脈から出る下甲状腺動脈、および外頸動脈からの上甲状腺動脈の2系統で栄養される。下方供給は鎖骨下動脈由来であり、鎖骨下動脈の支配域に含まれる。
✗ 3. 誤り
僧帽筋
僧帽筋は鎖骨下動脈から甲状頸動脈として出る頸横動脈の枝で栄養される。肩甲挙筋・菱形筋とともに背部浅層筋の動脈供給を受け持つのは頸横動脈の浅枝であり、起源は鎖骨下動脈にさかのぼる。
✓ 4. 正しい
心臓
心筋を養う冠動脈は、大動脈起始部(大動脈洞)の左右から出る左冠動脈・右冠動脈であり、大動脈弓や鎖骨下動脈からは分枝しない。冠動脈は心臓自身の栄養血管として最初に大動脈から分岐する点が特徴的である。鎖骨下動脈の分布域は脳(椎骨動脈)、前胸壁(内胸動脈)、頸部・甲状腺(甲状頸動脈)、肩甲背部(頸横動脈・肋頸動脈)、上肢(腋窩動脈以遠)に及ぶが、心臓は含まれない。
ポイント
  • 鎖骨下動脈の主要枝は椎骨動脈・内胸動脈・甲状頸動脈・肋頸動脈で、脳後方・頸・前胸壁・肩背部・上肢に広く分布する。
  • 覚え方のコツ: 「サ・ナイ・ケイ・ロッケイ」(鎖骨下→内胸・甲状頸・肋頸)と椎骨動脈で4本を暗記する。
  • 関連知識: 冠動脈は上行大動脈起始部から直接出る唯一の心臓栄養動脈で、鎖骨下動脈系とは別系統。
  • よくある間違い: 心臓=胸部だから鎖骨下動脈と結びつけてしまう。大動脈弓や鎖骨下動脈は心臓を通過するだけで、心筋自体は冠動脈支配である。
  • 臨床応用: 鎖骨下動脈盗血症候群では近位部の狭窄により椎骨動脈が逆流し、上肢使用時にめまい・失神を生じる。冠動脈バイパス術には内胸動脈(鎖骨下動脈枝)がグラフトとして用いられる。
比較表
鎖骨下動脈の枝 主な分布
椎骨動脈 脳後方1/4・脊髄
内胸動脈 前胸壁・横隔膜・乳腺
甲状頸動脈(下甲状腺・頸横・肩甲上) 甲状腺・頸部・肩甲骨周囲
肋頸動脈 上位肋間・深頸部
腋窩動脈以遠 上肢
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題26|鎖骨下動脈で栄養されない器官はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題26|鎖骨下動脈で栄養されない器官はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手