学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ E. 胎児循環 / Q0170

理由で解く 解剖学

Q0170 循環器系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題27
問題
肝臓をバイパスし胎児の臍静脈血を下大静脈に導くのはどれか。
選択肢
1 動脈管
2 静脈管
3 卵円孔
4 肝円索
解答
正解2(静脈管)
解説
✗ 1.
動脈管
動脈管(ボタロー管)は肺動脈と大動脈弓を結ぶ胎児特有のバイパスで、肺循環を回避して大動脈に血流を送るためのもの。臍静脈血を下大静脈に導く役割はなく、静脈管とは別構造である。
✓ 2. 正しい
静脈管
静脈管(アランチウス管、ductus venosus)は胎児期にのみ存在するバイパス管で、臍静脈から下大静脈へ直接血流を導き、肝実質を通過させずに酸素豊富な血液を心臓に送る役割を持つ。臍静脈血の約半〜2/3が静脈管を通り、残りは門脈側枝を経て肝を灌流する。出生後は臍帯結紮とともに閉塞し、「静脈管索(Arantius索)」として肝内に遺残する。
✗ 3.
卵円孔
卵円孔は心房中隔(左右心房の間)の孔で、右房から左房へ血液をシャントさせて肺循環をバイパスする胎児特有の構造である。臍静脈から下大静脈への経路ではなく、下大静脈血を右房から左房へ送る心内シャント。
✗ 4.
肝円索
肝円索は胎児期の臍静脈が出生後に閉塞して結合組織化した成人の遺残構造であり、胎児期には存在しない。胎児期に機能するのは臍静脈そのもので、肝円索は出生後の名称である。
ポイント
  • 静脈管(アランチウス管)は臍静脈血を肝臓をバイパスして下大静脈に導く胎児特有の経路である。
  • 覚え方のコツ: 「静脈管=肝バイパス(臍静脈→下大静脈)」「動脈管=肺バイパス(肺動脈→大動脈弓)」と機能で対比。
  • 関連知識: 出生後は静脈管索(Arantius索)として肝に遺残。臍静脈→肝円索、臍動脈→臍動脈索、動脈管→動脈管索、卵円孔→卵円窩と遺残名を整理。
  • よくある間違い: 静脈管を動脈管と混同する/卵円孔を肝バイパスと誤解する/肝円索(成人遺残)を胎児構造と誤る。
  • 臨床応用: 静脈管は通常は出生後数日で閉鎖するが、開存すると門脈大循環シャントとして高アンモニア血症の原因になる。
比較表
胎児バイパス 経路 目的
静脈管 臍静脈→下大静脈 肝循環を回避
動脈管 肺動脈→大動脈弓 肺循環を回避
卵円孔 右房→左房 肺循環を回避
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題27|肝臓をバイパスし胎児の臍静脈血を下大静脈に導くのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題27|肝臓をバイパスし胎児の臍静脈血を下大静脈に導くのはどれか。
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