学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0123

理由で解く 解剖学

Q0123 循環器系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題28
問題
骨盤内臓器を栄養するのはどれか。
選択肢
1 上腸間膜動脈
2 下腸間膜動脈
3 外腸骨動脈
4 内腸骨動脈
解答
正解4(内腸骨動脈)
解説
✗ 1. 誤り
上腸間膜動脈
上腸間膜動脈は膵・小腸・右半結腸(横行結腸まで)を栄養する動脈で、骨盤腔内には到達しない。前腸/中腸由来の消化器を担う血管で、骨盤内臓器の血行には関与しない。
✗ 2. 誤り
下腸間膜動脈
下腸間膜動脈は下行結腸からS状結腸・直腸上部を栄養するが、膀胱・子宮・前立腺などの骨盤内臓器は支配しない。終枝の上直腸動脈が直腸上部を養うのみで、骨盤内臓全体の血行を担う血管ではない。
✗ 3. 誤り
外腸骨動脈
外腸骨動脈は鼠径靱帯の血管裂孔を通って下肢に向かう動脈で、下肢の本幹である大腿動脈に移行する。骨盤内臓器を栄養する枝はほとんど持たず、下肢血行に特化した血管である。
✓ 4. 正しい
内腸骨動脈
内腸骨動脈は総腸骨動脈から分岐した後、骨盤腔内で①臓側枝(膀胱動脈・子宮動脈・中直腸動脈・臍動脈など)、②壁側枝(腸腰動脈・内陰部動脈)、③下肢に向かう枝(閉鎖動脈・上殿動脈・下殿動脈)の3系統の枝を出す。このうち臓側枝が膀胱・子宮・直腸下部・前立腺などの骨盤内臓器を広範に栄養するため、骨盤内臓器の主要供給源は内腸骨動脈となる。男性では下膀胱動脈が前立腺にも枝を出し、女性では子宮動脈・膣動脈が生殖器を支配する。
ポイント
  • 内腸骨動脈は骨盤内臓器の主要血行源で、臓側枝・壁側枝・下肢に向かう枝の3系統の枝を出す。
  • 覚え方のコツ: 「内腸骨=骨盤の内側の臓器、外腸骨=骨盤を出て下肢へ」と内外で役割を区別する。
  • 関連知識: 直腸は上直腸動脈(下腸間膜動脈)、中直腸動脈(内腸骨)、下直腸動脈(内陰部動脈)の三重支配を受ける。
  • よくある間違い: 下腸間膜動脈を骨盤内臓器の主動脈と混同する。下腸間膜は大腸後半までで、骨盤内臓器の主役は内腸骨動脈。
  • 臨床応用: 産科大量出血や骨盤骨折に伴う動脈性出血では、内腸骨動脈塞栓術(TAE)が救命的に行われる。子宮筋腫塞栓術も同系統の手技。
比較表
内腸骨動脈の枝 代表的支配臓器
臓側枝 膀胱、前立腺、子宮、膣、中直腸
壁側枝(腸腰・内陰部) 後腹壁、肛門、外部生殖器
下肢に向かう枝 閉鎖筋、殿筋群(上・下殿動脈)
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題28|骨盤内臓器を栄養するのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題28|骨盤内臓器を栄養するのはどれか。
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