学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0122

理由で解く 解剖学

Q0122 循環器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題31
問題
腹大動脈から直接分岐するのはどれか。
選択肢
1 卵巣動脈
2 子宮動脈
3 臍動脈
4 上直腸動脈
解答
正解1(卵巣動脈)
解説
✓ 1. 正しい
卵巣動脈
卵巣動脈は腹大動脈の側面から腎動脈起始部のやや下方で1対(有対性)に出る性腺動脈で、骨盤腔の側壁にある卵巣提索の中を走って卵巣に達する。男性の精巣動脈と対称的に発生する血管で、腹大動脈の直接枝である。胎生期には腎臓と同じ高さで発生した性腺が骨盤腔まで下降するため、その血管も腹大動脈の高位で起こる軌跡を保ったまま長く下行するという発生史を反映している。
✗ 2. 誤り
子宮動脈
子宮動脈は内腸骨動脈の臓側枝で、子宮広間膜内を通って子宮体側方から入る。尿管の前を横切るのが特徴的な走行(「水の上を橋が通る」=子宮動脈が尿管の上を横切る)。腹大動脈の直接枝ではない。
✗ 3. 誤り
臍動脈
臍動脈は内腸骨動脈から出る臓側枝で、胎児期には臍帯を通って胎盤に胎児血を運ぶ。生後は大部分が閉鎖して臍動脈索となり、近位部のみ上膀胱動脈として残存する。腹大動脈の直接枝ではない。
✗ 4. 誤り
上直腸動脈
上直腸動脈は下腸間膜動脈の終枝として直腸上部を栄養する血管で、腹大動脈からは下腸間膜動脈を介して派生する。直接分岐ではなく、階層としては腹大動脈→下腸間膜動脈→上直腸動脈となる。
ポイント
  • 性腺動脈(卵巣/精巣動脈)は有対性臓側枝として腹大動脈の直接枝であり、腎動脈の下方で分岐する。
  • 覚え方のコツ: 「性腺はもともと腎の高さで発生→腹大動脈から直接」と発生学的由来で理解。子宮動脈は別系統(内腸骨)。
  • 関連知識: 骨盤内臓器の動脈は臓器ごとに起源が異なる。卵巣=腹大動脈、子宮=内腸骨、膀胱=内腸骨、上直腸=下腸間膜動脈。
  • よくある間違い: 卵巣と子宮の動脈支配を混同する。卵巣は発生学的に高位由来、子宮は骨盤由来と別系統。
  • 臨床応用: 子宮筋腫塞栓術(UAE)では内腸骨動脈から子宮動脈を選択的に閉塞する。卵巣動脈は手術時に尿管や卵巣提索と一緒に同定する必要がある。
比較表
動脈 起源
卵巣/精巣動脈 腹大動脈(直接、有対)
子宮動脈 内腸骨動脈
臍動脈 内腸骨動脈
上直腸動脈 下腸間膜動脈
中・下直腸動脈 内腸骨動脈
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題31|腹大動脈から直接分岐するのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題31|腹大動脈から直接分岐するのはどれか。
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