学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0152

理由で解く 解剖学

Q0152 循環器系

出典:あマ指 第15回(2007) 問題28
問題
上大静脈に直接注ぐ静脈はどれか。
選択肢
1 門脈
2 奇静脈
3 肝静脈
4 肺静脈
解答
正解2(奇静脈)
解説
✗ 1. 誤り
門脈
門脈は脾静脈と上腸間膜静脈の合流で形成され、肝臓の類洞で毛細血管化したあと肝静脈→下大静脈という経路をとる。上半身の静脈本幹である上大静脈とは流域も走行も別系統で、直接の連絡はない。
✓ 2. 正しい
奇静脈
奇静脈は後胸壁の右側を脊柱に沿って縦走し、右の肋間静脈や食道静脈などを集めながら上行する。第4~5胸椎の高さで前方へ弓状に曲がって右気管支の上を越え、上大静脈の後面に直接開口する。左側の肋間静脈は半奇静脈・副半奇静脈を経て脊柱前を横断し、脊柱右側の奇静脈に合流する。上大静脈に直接注ぐのは左右腕頭静脈とこの奇静脈であり、奇静脈系は門脈圧亢進時に食道静脈瘤の側副循環路を形成する点でも臨床的に重要である。
✗ 3. 誤り
肝静脈
肝静脈は肝臓の後上面で直接下大静脈の前壁に注ぎ込み、横隔膜の大静脈孔を経て右心房に戻る。横隔膜より上を走る上大静脈には流入しない。肝臓の位置が横隔膜直下にあるため、直接下大静脈に開口する経路が最短で効率的である。
✗ 4. 誤り
肺静脈
肺静脈は肺胞でガス交換を終えた動脈血を運ぶ肺循環の還流路で、左右の肺から4本が心臓後面に回り込んで左心房に開口する。体循環の静脈本幹である上大静脈とは別系統で、上大静脈に注ぐことはない。
ポイント
  • 上大静脈に直接注ぐのは左右腕頭静脈と奇静脈の3本で、腕頭静脈は内頸静脈+鎖骨下静脈から成る。
  • 覚え方のコツ: 「上大静脈は3本受け入れ=左右の腕頭+奇(3本目)」と数で押さえる。
  • 関連知識: 奇静脈系は半奇静脈・副半奇静脈とともに3本で後胸壁を走り、下大静脈閉塞時の重要な側副路ともなる。
  • よくある間違い: 肝静脈を上大静脈に注ぐと誤認/門脈系を上大静脈と混同する。
  • 臨床応用: 食道癌末期や肺癌縦隔浸潤で上大静脈症候群が生じると、顔面・上肢の浮腫と側副路拡張(奇静脈系・胸壁の皮静脈)を呈する。
比較表
上大静脈の流入枝 集める領域
右腕頭静脈 右頭頸部・右上肢
左腕頭静脈 左頭頸部・左上肢
奇静脈 後胸壁・食道・気管支・半奇/副半奇静脈系
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題28|上大静脈に直接注ぐ静脈はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題28|上大静脈に直接注ぐ静脈はどれか。
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