学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0151

理由で解く 解剖学

Q0151 循環器系

出典:あマ指 第13回(2005) 問題32
問題
門脈の構成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 腎静脈
2 脾静脈
3 上腸間膜静脈
4 下腸間膜静脈
解答
正解1(腎静脈)
解説
✓ 1. 誤り
腎静脈
腎静脈は腎門から出て腹大動脈の両側を横走し、下大静脈に直接注ぐ。左右で形態に差があり、左腎静脈は下大静脈が正中より右寄りに位置するため長く、途中で左副腎静脈・左性腺静脈を受けてから腹大動脈前を横切って合流する。一方、右腎静脈は短く、副腎静脈・性腺静脈は直接下大静脈へ開く。いずれも門脈系とは別ルートで、腎臓からの血液は肝臓を経由せずそのまま体循環に戻る。
✗ 2.
脾静脈
✗ 正しい。 脾静脈は脾門を出て膵臓後面を右走し、途中で下腸間膜静脈や膵静脈を受けた後、膵頭部の後方で上腸間膜静脈と合流して門脈を形成する。したがって脾静脈は門脈の主要な構成枝である。
✗ 3.
上腸間膜静脈
✗ 正しい。 上腸間膜静脈は小腸と右半結腸(盲腸~横行結腸右半)の静脈血を集め、腸間膜の中を上行して膵頭部の後方で脾静脈と合流し、門脈を形成する。小腸で吸収された糖やアミノ酸はこの経路を経て肝臓に運ばれる、門脈の中心的な構成枝である。
✗ 4.
下腸間膜静脈
✗ 正しい。 下腸間膜静脈は左半結腸(横行結腸左半~S状結腸)および直腸上部の血液を集めて上行し、多くは脾静脈に合流してから門脈に至るため、門脈系の構成枝に含まれる。直腸下部の静脈叢は内腸骨静脈へ流れるため、直腸は門脈系と体循環系の境界領域(側副路)となる。
ポイント
  • 門脈系に含まれるのは消化管(食道下部〜直腸上部)、膵臓、脾臓、胆嚢など。腎臓・副腎・性腺・子宮は含まれない。
  • 覚え方のコツ: 「食べ物の通り道=門脈系」「排泄・生殖系=直接下大静脈」と機能で分けて記憶する。
  • 関連知識: 左腎静脈は腹大動脈の前を横切るため、腹大動脈瘤で圧迫されるとナットクラッカー症候群などの左腎うっ血を生じる。
  • よくある間違い: 腎静脈を門脈系と混同する/下腸間膜静脈が下大静脈に注ぐと誤解する。
  • 臨床応用: 門脈圧亢進症では脾腫・食道静脈瘤・腹水が三大徴候となるが、腎静脈は含まれないため腎臓自体はうっ血しない。
比較表
静脈 門脈系に関与するか 合流先
脾静脈 関与する(構成枝) 上腸間膜静脈と合流して門脈へ
上腸間膜静脈 関与する(構成枝) 脾静脈と合流して門脈へ
下腸間膜静脈 関与する 脾静脈へ(→門脈)
腎静脈 関与しない 下大静脈(直接)
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題32|門脈の構成に関与しないのはどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題32|門脈の構成に関与しないのはどれか。
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