学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0138

理由で解く 解剖学

Q0138 循環器系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題25
問題
大腿動脈の枝はどれか。
選択肢
1 内側大腿回旋動脈
2 下腹壁動脈
3 下殿動脈
4 閉鎖動脈
解答
正解1(内側大腿回旋動脈)
解説
✓ 1. 正しい
内側大腿回旋動脈
大腿動脈は外腸骨動脈が鼠径靭帯下の血管裂孔を通過して以遠の区間で、大腿三角内に出て最初の主要枝として大腿深動脈を分枝する。大腿深動脈からは内側大腿回旋動脈・外側大腿回旋動脈・貫通動脈が出て、大腿筋群と股関節周囲(大腿骨頸)を栄養する。したがって「内側大腿回旋動脈」は大腿動脈(→大腿深動脈)の間接的な枝にあたる。なお大腿骨頸部の血流は主に内側・外側大腿回旋動脈の関節支帯枝によって供給され、大腿骨頸部骨折で容易に途絶して大腿骨頭壊死を起こす臨床的要点がある。
✗ 2. 誤り
下腹壁動脈
下腹壁動脈は外腸骨動脈が鼠径靭帯を通過する直前に起こる枝で、腹直筋後面を上行して上腹壁動脈(内胸動脈終枝)と吻合する。大腿動脈の枝ではない。下腹壁動脈の内側は直接鼠径ヘルニア、外側は間接鼠径ヘルニアの発生部位として臨床的に重要。
✗ 3. 誤り
下殿動脈
下殿動脈は内腸骨動脈の「下肢に向かう枝」で、梨状筋下孔を通って骨盤を出て大殿筋などの殿部筋群を養う。大腿動脈系ではない。
✗ 4. 誤り
閉鎖動脈
閉鎖動脈は内腸骨動脈の「下肢に向かう枝」で、閉鎖神経とともに骨盤内側壁を走り閉鎖管を通って大腿内側に至り、内転筋群と股関節の一部を養う。大腿動脈からは分枝しない。
ポイント
  • 下肢の動脈系は「外腸骨動脈→大腿動脈→膝窩動脈→前・後脛骨動脈」の1本道で、大腿深動脈が大腿動脈の主要枝として大腿筋群を養う。
  • 覚え方のコツ: 「骨盤内は内腸骨、下肢は外腸骨→大腿」と左右の2系統で分担。股関節周囲のみ内腸骨系(閉鎖・上下殿)と大腿動脈系(内外側大腿回旋)が協働。
  • 関連知識: 大腿骨頭への血流は大腿骨頭靭帯を通る閉鎖動脈の枝と、内側・外側大腿回旋動脈の関節支帯枝から供給される(高齢者では閉鎖動脈枝は乏しくなる)。
  • よくある間違い: 下腹壁動脈・下殿動脈・閉鎖動脈のいずれかを大腿動脈の枝と誤る。これらは大腿動脈より近位(外腸骨・内腸骨)の枝である。
  • 臨床応用: 大腿骨頸部骨折では内側・外側大腿回旋動脈の関節支帯枝が破綻し、大腿骨頭への血行が遮断されて大腿骨頭壊死(偽関節)を起こしやすい。
比較表
動脈 起始 主な分布
大腿動脈 外腸骨動脈の続き(鼠径靱帯下) 下肢全般(大腿三角で脈拍触知)
大腿深動脈 大腿動脈 大腿伸・内転筋群、股関節周囲
内側・外側大腿回旋動脈 大腿深動脈 大腿骨頸(関節支帯枝)、内転筋群
下腹壁動脈 外腸骨動脈(鼠径靱帯直前) 腹直筋
閉鎖動脈・上殿・下殿動脈 内腸骨動脈 内転筋群/殿筋群
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題25|大腿動脈の枝はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題25|大腿動脈の枝はどれか。
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