学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0137

理由で解く 解剖学

Q0137 循環器系

出典:あマ指 第21回(2013) 問題30
問題
内包に分布する動脈はどれか。
選択肢
1 中大脳動脈
2 中硬膜動脈
3 脳底動脈
4 後下小脳動脈
解答
正解1(中大脳動脈)
解説
✓ 1. 正しい
中大脳動脈
中大脳動脈は内頸動脈の終枝として外側大脳裂(シルビウス裂)を走り、大脳半球外側面の広い範囲を灌流する。その基部から深部に向かって多数の細い穿通枝(レンズ核線条体動脈)を出し、内包・レンズ核・尾状核などの基底核領域に分布する。この動脈は血管壁が薄く、高血圧による微小動脈瘤(シャルコー・ブシャール動脈瘤)形成と破裂により脳出血の約70%を占める。内包出血では対側の片麻痺・感覚障害・同名半盲(「三位一体」の症候)が典型。
✗ 2. 誤り
中硬膜動脈
中硬膜動脈は外頸動脈から出る顎動脈の枝で、棘孔を通って頭蓋腔に入り「硬膜」を栄養する。脳実質(内包を含む)には分布せず、側頭部の頭部外傷で損傷されると硬膜外血腫を生じる。
✗ 3. 誤り
脳底動脈
脳底動脈は左右の椎骨動脈が橋下縁で合流してできる脳底部の動脈で、橋・小脳・内耳などを養い、終枝として左右の後大脳動脈を出す。後大脳動脈は後頭葉・側頭葉内側を支配し、内包領域の穿通枝は中大脳動脈ほど豊富でない。
✗ 4. 誤り
後下小脳動脈
後下小脳動脈は椎骨動脈の枝で、延髄外側・小脳下面を養う。閉塞するとワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)を生じる。内包には分布しない。
ポイント
  • 内包を灌流する穿通枝は中大脳動脈の深部枝「レンズ核線条体動脈」で、「脳出血動脈」とも呼ばれる破綻危険部位。
  • 覚え方のコツ: 「内包の支配者=中大脳動脈」。中大脳動脈は外側(皮質)だけでなく深部(基底核・内包)まで3次元的に支配する。
  • 関連知識: 大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)は内頸動脈系(前・中大脳動脈)と椎骨脳底動脈系(後大脳動脈)が前交通・後交通動脈で連結する吻合環。
  • よくある間違い: 脳底動脈や後大脳動脈を「内包の動脈」と誤る。内包は中大脳動脈の支配域である。
  • 臨床応用: レンズ核線条体動脈の出血(被殻出血)は高血圧性脳出血の最頻部位で、対側の片麻痺・意識障害・共同偏視(病巣側を向く)を呈する。
比較表
動脈 起始 主な分布
中大脳動脈 内頸動脈の終枝 大脳外側面、レンズ核線条体動脈→内包・基底核
前大脳動脈 内頸動脈の終枝 大脳内側面(前方・上方)、下肢中枢
後大脳動脈 脳底動脈の終枝 後頭葉・側頭葉内側(視覚中枢)
後下小脳動脈 椎骨動脈 延髄外側・小脳下面
中硬膜動脈 顎動脈(外頸動脈) 硬膜(脳実質は含まず)
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題30|内包に分布する動脈はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題30|内包に分布する動脈はどれか。
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