学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0127

理由で解く 解剖学

Q0127 循環器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題27
問題
動脈と分布域との組み合わせで誤っているのはどれか。
選択肢
1 気管支動脈 - 肺臓
2 腹腔動脈 - 脾臓
3 上腸間膜動脈 - 空腸
4 下腸間膜動脈 - 上行結腸
解答
正解4(下腸間膜動脈 - 上行結腸)
解説
✗ 1.
気管支動脈 - 肺臓
✗ 正しい。 気管支動脈は胸大動脈前方から起こる無対性の臓側枝で、気管支に沿って肺内に進入し肺組織自体の栄養血管となる。肺動脈がガス交換のための機能血管であるのに対し、気管支動脈は肺実質の栄養を担う。組合せは正しい。
✗ 2.
腹腔動脈 - 脾臓
✗ 正しい。 腹腔動脈は左胃動脈・脾動脈・総肝動脈の3枝に分かれ、胃・十二指腸(上部)・肝・胆嚢・膵(一部)・脾を養う。脾臓は脾動脈(腹腔動脈の枝)によって栄養されるため、組合せは正しい。
✗ 3.
上腸間膜動脈 - 空腸
✗ 正しい。 上腸間膜動脈は腸間膜内を走って十二指腸水平部から横行結腸(右2/3)までを栄養する。空腸は上腸間膜動脈の空腸動脈枝によって養われるので、組合せは正しい。
✓ 4. 誤り
下腸間膜動脈 - 上行結腸
下腸間膜動脈は腹大動脈の前面から上腸間膜動脈より下方で起こり、下行結腸・S状結腸・直腸上部を養う。上行結腸は横行結腸右2/3までと同じく「上腸間膜動脈」の分布域(右結腸動脈)であり、下腸間膜動脈ではない。上下腸間膜動脈の境界は横行結腸の左右境界(Cannon-Böhm点付近)にあり、この境界は発生学的に前腸・中腸と後腸の境目に相当する。
ポイント
  • 腸管の動脈支配は発生学的境界と一致する。前腸=腹腔動脈、中腸=上腸間膜動脈(小腸全域+盲腸・上行・横行結腸右2/3)、後腸=下腸間膜動脈(横行結腸左1/3・下行・S状・直腸上部)。
  • 覚え方のコツ: 「上腸は上腹部+右半結腸、下腸は左半結腸+直腸上部」とし、横行結腸の中央付近(Cannon-Böhm点)が境界。
  • 関連知識: 直腸は上中下で動脈支配が異なる。上直腸動脈は下腸間膜動脈、中直腸動脈は内腸骨動脈の枝、下直腸動脈は内陰部動脈の枝である。
  • よくある間違い: 「上行結腸=下腸間膜動脈」と誤認。左右を取り違える典型例で、境界は横行結腸の中間点であることを強く意識する。
  • 臨床応用: 上・下腸間膜動脈境界域(脾彎曲部)は側副血行が乏しく、低灌流時に虚血性腸炎(分水嶺梗塞)を起こしやすい。
比較表
動脈 分布
腹腔動脈 胃・十二指腸上部・肝・胆嚢・膵・脾
上腸間膜動脈 十二指腸下部・空腸・回腸・盲腸・上行結腸・横行結腸右2/3
下腸間膜動脈 横行結腸左1/3・下行結腸・S状結腸・直腸上部
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題27|動脈と分布域との組み合わせで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題27|動脈と分布域との組み合わせで誤っているのはどれか。
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