学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0550

理由で解く 解剖学

Q0550 神経系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題28
問題
錐体路を構成しないのはどれか。
選択肢
1 中心前回
2 内包
3 大脳脚
4 脊髄後索
解答
正解4(脊髄後索)
解説
✗ 1.
中心前回
✗ 正しい。 中心前回は前頭葉の中心溝の前に位置する一次運動野(ブロードマン4野)で、錐体路の起点となる巨大錐体細胞(ベッツ細胞)が多数存在する。錐体路の起始部として本選択肢は構成要素であり、本問の答えではない。
✗ 2.
内包
✗ 正しい。 内包は尾状核・視床と被殻・淡蒼球の間を通る白質の束で、後脚には錐体路(皮質脊髄路)の線維が集中して下降する。錐体路の主要な通路であり、本問の答えではない。内包後脚病変では対側片麻痺を生じる。
✗ 3.
大脳脚
✗ 正しい。 大脳脚は中脳腹側の縦走線維束で、錐体路の皮質脊髄路・皮質核路が通り、延髄錐体へ連続する。錐体路の経路そのものであり、本問の答えではない。
✓ 4. 誤り
脊髄後索
脊髄後索は薄束(下肢・下半身)と楔状束(上肢・上半身)からなる上行性伝導路で、深部感覚(位置覚・振動覚)と識別性触覚を伝える。下行性運動路である錐体路とは系統が異なり、錐体路は脊髄では側索(外側皮質脊髄路)と前索(前皮質脊髄路)を下行する。したがって脊髄後索は錐体路を構成せず、本問の答えとなる。「後索=上行感覚/側索=下行運動」と方向と機能で対比する。
ポイント
  • 錐体路は中心前回→内包後脚→大脳脚→橋→延髄錐体→錐体交叉→脊髄側索の順に下行する。脊髄後索は上行性の深部感覚路で別系統。
  • 覚え方のコツ: 「後索=上り(感覚)/側索=下り(運動)」で縦方向に整理。脊髄では運動と感覚が別の索を通る。
  • 関連知識: 脊髄後索は薄束(T6以下)+楔状束(T6以上)で延髄後索核→内側毛帯交叉→視床VPLへ。側索は外側皮質脊髄路+外側脊髄視床路(温痛覚)が通る。
  • よくある間違い: 後索を錐体路と誤認/中心前回を感覚野と混同/錐体交叉の位置を橋と勘違い(正しくは延髄下端)。
  • 臨床応用: ブラウン-セカール症候群(脊髄半切損傷)では同側の下方で錐体路障害による片麻痺と後索障害による深部感覚消失、対側で温痛覚消失(脊髄視床路は既交叉)と解離性感覚障害を呈する。
比較表
部位 錐体路の構成 経路上の位置
中心前回 起始(ベッツ細胞) 一次運動野
内包後脚 通る 集束点
大脳脚 通る 中脳腹側
延髄錐体・錐体交叉 通る 延髄腹側
脊髄側索(外側皮質脊髄路) 通る 脊髄
脊髄後索 通らない 深部感覚路
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題28|錐体路を構成しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題28|錐体路を構成しないのはどれか。
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