学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0126

理由で解く 解剖学

Q0126 循環器系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題27
問題
腹大動脈の枝のうち対をなすのはどれか。
選択肢
1 上腸間膜動脈
2 下腸間膜動脈
3 腹腔動脈
4 腎動脈
解答
正解4(腎動脈)
解説
✗ 1. 誤り
上腸間膜動脈
上腸間膜動脈は腹大動脈の前面から無対性(1本のみ)で起こる消化器系臓側枝で、膵臓・空腸・回腸・盲腸・上行結腸・横行結腸までを養う。消化管は左右対称性が乏しい臓器であるため、分布動脈も対をなさない。
✗ 2. 誤り
下腸間膜動脈
下腸間膜動脈も腹大動脈の前面から無対性で出る1本の動脈で、下行結腸・S状結腸・直腸上部に分布する。腹腔・上下腸間膜の3本が揃って無対性であるのは、正中に並ぶ消化管を正面から養う発生学的経緯による。
✗ 3. 誤り
腹腔動脈
腹腔動脈は横隔膜を貫通した直後の腹大動脈前面から1本だけ出る無対性の臓側枝で、左胃動脈・脾動脈・総肝動脈の3枝に分かれ上腹部消化器を養う。正中臓器に分布するため対はない。
✓ 4. 正しい
腎動脈
腎動脈は第1腰椎の高さで腹大動脈の両側面から左右1対で出る太い動脈で、それぞれの腎臓に向かう。右腎動脈は腹大動脈のすぐ右を走る下大静脈の深層をくぐって右腎に至る。泌尿・生殖器系(腎動脈・性腺動脈)および壁側枝(下横隔動脈・腰動脈)は左右1対の有対性である一方、消化器系の臓側枝(腹腔・上下腸間膜)は無対性という対応関係が、腹大動脈分枝の整理の軸となる。
ポイント
  • 腹大動脈の分枝は「対をなす有対性(壁側枝・泌尿生殖器系臓側枝)」と「1本のみの無対性(消化器系臓側枝)」の2群に分けて覚える。
  • 覚え方のコツ: 「腹部3本は真ん中・1本(腹腔・上腸間膜・下腸間膜)、腎・性腺は左右・2本」と対応させる。
  • 関連知識: 腎動脈は第1腰椎の高さで起始し、性腺動脈はその少し下から分枝する。いずれも腹大動脈の側面から対をなして出る。
  • よくある間違い: 腹腔動脈を「左右1対」と誤認する。腹腔動脈は無対性で、3分枝して対称に見えるだけである。
  • 臨床応用: 左腎静脈は腹大動脈と上腸間膜動脈に挟まれやすく、ここで圧迫されるとナットクラッカー症候群(血尿・左側腹部痛)を生じる。
比較表
腹大動脈の分枝 有対/無対 分布
下横隔動脈・腰動脈 有対(壁側枝) 横隔膜・後腹壁
腎動脈 有対(臓側枝) 左右の腎臓
性腺動脈 有対(臓側枝) 精巣・卵巣
腹腔動脈 無対(臓側枝) 上腹部消化器
上腸間膜動脈 無対(臓側枝) 小腸・右半結腸
下腸間膜動脈 無対(臓側枝) 左半結腸・直腸上部
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題27|腹大動脈の枝のうち対をなすのはどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題27|腹大動脈の枝のうち対をなすのはどれか。
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