学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0108

理由で解く 解剖学

Q0108 循環器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題29
問題
腹腔動脈によって栄養されない臓器はどれか。
選択肢
1 肝臓
2 腎臓
3 脾臓
4
解答
正解2(腎臓)
解説
✗ 1. 誤り
肝臓
肝臓は腹腔動脈から分枝する総肝動脈→固有肝動脈の経路で動脈血を受ける。門脈と並ぶ二重血行支配だが、栄養血管として腹腔動脈系から供給されるため、腹腔動脈の支配域に含まれる。
✓ 2. 正しい
腎臓
腎臓は腹大動脈の両側から対をなして出る「腎動脈」から直接栄養され、腹腔動脈系には含まれない。腎動脈は第1腰椎の高さで分枝する有対性の泌尿生殖器系臓側枝である。腹腔動脈は消化器系(胃・十二指腸・肝・胆・膵・脾)への無対性臓側枝であり、泌尿器系とは系統が分かれる。この区別が本問の核心である。
✗ 3. 誤り
脾臓
脾臓は腹腔動脈の3分枝(左胃・脾・総肝動脈)のうち脾動脈の支配を受ける。脾動脈は膵臓上縁を蛇行しながら左行し、脾門から脾実質へ進入する。腹腔動脈系に属する。
✗ 4. 誤り
胃は腹腔動脈3分枝のうち左胃動脈(小弯上方)・右胃動脈(総肝動脈枝)・短胃動脈と左胃大網動脈(脾動脈枝)・右胃大網動脈(胃十二指腸動脈枝)から多方向に栄養される。すべて腹腔動脈に起源を持つ。
ポイント
  • 腹腔動脈は左胃動脈・脾動脈・総肝動脈の3枝に分かれ、胃・十二指腸・肝・胆・膵・脾を養う。
  • 覚え方のコツ: 腹腔動脈=「ジョウブクブ(上腹部)の消化器」。腎臓は泌尿器系なので腎動脈が別枠で支配する。
  • 関連知識: 腹大動脈から消化管に出る無対性臓側枝は腹腔動脈(前腸由来)、上腸間膜動脈(中腸)、下腸間膜動脈(後腸)の3本。発生学的由来と支配域が一致する。
  • よくある間違い: 膵臓・十二指腸は腹腔動脈と上腸間膜動脈の境界で二重支配される。脾臓・肝臓は腹腔動脈、腎臓・性腺は有対性臓側枝と区別する。
  • 臨床応用: 腹腔動脈起始部の圧迫症候群(正中弓状靱帯症候群)では食後腹痛・体重減少を呈する。肝細胞癌の動脈塞栓術(TACE)では腹腔動脈系の造影が治療の基本となる。
比較表
動脈 起源 主な支配臓器
腹腔動脈 腹大動脈(無対) 胃・十二指腸・肝・胆・膵・脾
上腸間膜動脈 腹大動脈(無対) 膵・小腸・右半結腸(〜横行結腸)
下腸間膜動脈 腹大動脈(無対) 左半結腸〜直腸上部
腎動脈 腹大動脈(有対) 腎臓・副腎下部
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題29|腹腔動脈によって栄養されない臓器はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題29|腹腔動脈によって栄養されない臓器はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手