学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0106

理由で解く 解剖学

Q0106 循環器系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題30
問題
胸大動脈の直接枝はどれか。
選択肢
1 内胸動脈
2 腋窩動脈
3 肋間動脈
4 椎骨動脈
解答
正解3(肋間動脈)
解説
✗ 1. 誤り
内胸動脈
内胸動脈は鎖骨下動脈から分枝し、胸骨の外縁に沿って下行しながら前胸壁・横隔膜・乳腺などを養う。胸大動脈の枝ではなく鎖骨下動脈の枝であるため、直接枝として選択できない。
✗ 2. 誤り
腋窩動脈
腋窩動脈は鎖骨下動脈が第1肋骨外縁を越えた先で名前を変えた上肢の動脈であり、胸大動脈と直接のつながりはない。上肢血行の本幹に位置づけられ、胸壁の動脈ではない。
✓ 3. 正しい
肋間動脈
肋間動脈は胸大動脈の壁側枝として大動脈の両側から左右対をなして起こり、各肋間を肋骨下縁に沿って走行する。胸壁(肋間筋・胸膜・皮膚)を養う代表的な直接枝であり、胸大動脈から壁側枝と臓側枝が出るという原則のうち壁側枝の中核をなす。なお第1・第2肋間動脈のみ鎖骨下動脈の最上肋間動脈系から供給される変則があるが、第3肋間以下は胸大動脈の直接枝である。
✗ 4. 誤り
椎骨動脈
椎骨動脈は鎖骨下動脈の最初の太い枝として上行し、頸椎の横突孔を通って頭蓋腔に入り脳底動脈となる。胸大動脈から直接分岐する血管ではなく、脳へ向かう動脈の一つである。
ポイント
  • 胸大動脈の枝は壁側枝(肋間動脈・上横隔動脈)と臓側枝(食道動脈・気管支動脈)に分かれる。
  • 覚え方のコツ: 「壁は有対、臓は無対」。胸壁を左右対称に養う肋間動脈・上横隔動脈は有対性、胸部内臓を養う食道・気管支動脈は無対性と整理する。
  • 関連知識: 気管支動脈は肺を養う「栄養血管」で、肺動脈(機能血管)とは役割が異なる。肺は2系統の動脈で支配される代表臓器である。
  • よくある間違い: 内胸動脈を胸大動脈の枝と誤認しやすいが、これは鎖骨下動脈から出る。椎骨動脈も同様に鎖骨下動脈由来。
  • 臨床応用: 胸部大動脈瘤では肋間動脈の分枝部が脆弱となり、破裂時に胸腔内大量出血を生じる。冠動脈バイパスでは内胸動脈がグラフトに利用される。
比較表
区分 性質 代表枝 分布
壁側枝 有対 肋間動脈 肋間筋・胸壁皮膚
壁側枝 有対 上横隔動脈 横隔膜上面
臓側枝 無対 食道動脈 食道
臓側枝 無対 気管支動脈 肺(栄養)
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題30|胸大動脈の直接枝はどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題30|胸大動脈の直接枝はどれか。
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