
この図の解説
図は心臓の縦断像を4コマ並べ、心周期を収縮期(黄・橙)と拡張期(紫・青)に色分けして示す。まず(1)等容性収縮期では動脈弁・房室弁がともに閉じ、心室は収縮を始めるが容積は一定のまま内圧が上昇する。この相の開始時に房室弁が閉じてI音が響く。(2)駆出期は心室内圧が動脈圧を越えて動脈弁が開き、赤矢印の向きに血液が動脈へ駆出される。続く(3)等容性弛緩期では動脈弁が閉じてII音が生じ、両弁とも閉じたまま内圧が下降する。(4)充満期は心室内圧が心房内圧より下がって房室弁が開き、心房から心室へ血液が流入する(III音)。図右の表で各相の弁の開閉を確認すると、「開」になるのは駆出期の動脈弁と充満期の房室弁だけであると分かる。
学習の要点
- 心周期は収縮期(等容性収縮期→駆出期)と拡張期(等容性弛緩期→充満期)の4相で1サイクルをなす。
- 覚え方のコツ: 弁が「開」になるのは駆出期の動脈弁と充満期の房室弁の2か所だけ。ほかの等容性期は両弁とも閉じている。
- 関連知識: 房室弁(僧帽弁・三尖弁)は腱索と乳頭筋で心室内腔に固定され、心室収縮時に弁尖が心房側へ翻るのを防ぐ。動脈弁(大動脈弁・肺動脈弁)はポケット状の半月弁である。
- よくある間違い: I音=房室弁閉鎖(収縮期の始まり)、II音=動脈弁閉鎖(拡張期の始まり)を取り違えやすい。「先に閉じる房室弁がI音」と結びつける。
- 臨床応用: 弁に狭窄や閉鎖不全があると心音に雑音が加わり、聴診で心周期のどの時期に雑音が出るかから病変のある弁を推定できる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
駆出期では、心室内圧が( )圧を越えることで動脈弁が開き、血液が動脈へ駆出される。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 動脈
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。