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理由で解く 解剖学

Q0099 循環器系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題28
問題
心周期で心室内圧が動脈圧より高い時期はどれか。
選択肢
1 等容性収縮期
2 駆出期
3 等容性弛緩期
4 充満期
解答
正解2(駆出期)
解説
✗ 1. 誤り
等容性収縮期
等容性収縮期は房室弁が閉じた直後から動脈弁が開くまでの時期で、心室内圧は急上昇しているものの、まだ動脈圧を超えていないため動脈弁は開かず、容積は一定のまま内圧のみ高まる。動脈圧>心室内圧の状態であるため誤りとなる。
✓ 2. 正しい
駆出期
駆出期は心室内圧が動脈圧を超えて動脈弁(肺動脈弁・大動脈弁)が開き、心室から血液が大動脈・肺動脈へ勢いよく送り出される時期である。この間は「心室内圧>動脈圧」が成立しており、拍出の大部分が駆出期前半に起こる。駆出が進むにつれて心室容積は減少し内圧も徐々に低下し、やがて動脈圧と同じ水準まで下がると動脈弁が閉じて次の等容性弛緩期へ移行する。駆出期こそ心室から動脈への血流が生じている瞬間である。
✗ 3. 誤り
等容性弛緩期
等容性弛緩期は駆出が終わって動脈弁が閉じた直後から、房室弁が開くまでの時期で、心室容積は一定のまま内圧が急速に低下する。心室内圧が動脈圧を下回ったために動脈弁が閉じた状態であり、心室内圧は動脈圧より低い。
✗ 4. 誤り
充満期
充満期は房室弁が開き、心房から心室へ血液が流入する拡張期の時期である。心室内圧はむしろ最も低い領域で推移し、動脈圧をはるかに下回る。動脈弁は閉じた状態を保つ。
ポイント
  • 心室内圧が動脈圧を上回るのは動脈弁が開いている駆出期のみである。
  • 覚え方のコツ: 弁の開閉で4期を区切る。「房室弁閉+動脈弁閉=等容性(収縮・弛緩)」「動脈弁開=駆出期」「房室弁開=充満期」と対応させる。
  • 関連知識: 心周期は充満期→等容性収縮期→駆出期→等容性弛緩期の4相。Ⅰ音は等容性収縮期の開始(房室弁閉鎖)、Ⅱ音は等容性弛緩期の開始(動脈弁閉鎖)に一致する。
  • よくある間違い: 「等容性収縮期で駆出が始まる」と誤解する。等容性期は弁がすべて閉じており、心室容積は変化しない。実際に血液が拍出されるのは駆出期のみである。
  • 臨床応用: 大動脈弁狭窄症では駆出期に心室内圧が動脈圧を大きく上回る必要があり、収縮期圧較差が生じる。心エコーや心カテで圧較差・駆出分画を評価して治療適応を決める。
比較表
心周期の相 房室弁 動脈弁 心室内圧 vs 動脈圧
充満期 心室内圧<<動脈圧
等容性収縮期 急上昇するが動脈圧未満
駆出期 心室内圧>動脈圧
等容性弛緩期 急低下(動脈圧未満)
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題28|心周期で心室内圧が動脈圧より高い時期はどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題28|心周期で心室内圧が動脈圧より高い時期はどれか。
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