学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0098

理由で解く 解剖学

Q0098 循環器系

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題19
問題
心臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 心臓は後縦隔に位置する。
2 心外膜は漿膜の壁側板である。
3 房室結節は心房を収縮させる。
4 大心臓静脈は冠状溝を走行する。
解答
正解4(大心臓静脈は冠状溝を走行する。)
解説
✗ 1. 誤り
心臓は後縦隔に位置する。
心臓は後縦隔ではなく中縦隔に位置する。縦隔は上縦隔と下縦隔に分かれ、下縦隔はさらに前・中・後に区分される。心臓と心膜は中縦隔を占める代表的臓器で、後縦隔には食道・胸大動脈・奇静脈・迷走神経などが含まれる。
✗ 2. 誤り
心外膜は漿膜の壁側板である。
心外膜は漿膜性心膜の壁側板ではなく臓側板である。漿膜性心膜は壁側板と臓側板からなるひと続きの膜で、壁側板は心嚢の内張り、臓側板は心臓外表面をおおう心外膜そのものであり、両者が反転する境界で心膜腔を囲む。
✗ 3. 誤り
房室結節は心房を収縮させる。
房室結節は心房から心室へ興奮を中継する部位であり、心房自体を収縮させるわけではない。心房収縮は洞房結節で発生した興奮が心房壁を伝播することで生じ、房室結節はそこからの興奮をヒス束へ中継して心室収縮を引き起こす。
✓ 4. 正しい
大心臓静脈は冠状溝を走行する。
大心臓静脈は前室間溝に始まり、心臓前面を冠状溝まで上行したのち、冠状溝を左後方へ回って冠状静脈洞に注ぐ。したがって経路の後半は心房と心室の境界である冠状溝を走行する。これは前室間枝や回旋枝と伴行する形で、心臓前面から左後面にかけて静脈血を集める主要な経路にあたる。最終的に冠状静脈洞を経て右心房へ注ぐ。
ポイント
  • 大心臓静脈は前室間溝→冠状溝→冠状静脈洞と走り、右心房に注ぐ。
  • 覚え方のコツ: 心臓の「溝」と「血管」をセットで暗記する:前室間溝(前室間枝・大心臓静脈)/後室間溝(後室間枝・中心臓静脈)/冠状溝(左右冠状動脈・大心臓静脈の後半部)。
  • 関連知識: 心臓は中縦隔に位置し、心外膜は漿膜性心膜の臓側板にあたる。壁側板と臓側板がひと続きに反転して心膜腔を取り囲む。
  • よくある間違い: 「心臓は後縦隔」「心外膜=壁側板」「房室結節が心房を収縮させる」といった位置・機能の取り違えが多い。心臓=中縦隔、心外膜=臓側板、房室結節=心房と心室の中継点、と一対一対応で覚え直す。
  • 臨床応用: 心臓電気生理検査や心臓再同期療法(CRT)では、大心臓静脈から冠状静脈洞を経由して左心室にリードを留置する。心臓の静脈走行を知ることはデバイス治療の基礎となる。
比較表
縦隔の区分 主な内容
上縦隔 大動脈弓・腕頭動静脈・上大静脈・気管・食道・胸腺
前縦隔 結合組織・胸腺遺残
中縦隔 心臓・心膜・上行大動脈基部・肺動脈幹・気管分岐部
後縦隔 胸大動脈・食道・奇静脈系・胸管・迷走神経
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題19|心臓について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題19|心臓について正しいのはどれか。
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