学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0097

理由で解く 解剖学

Q0097 循環器系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題22
問題
心臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 心内膜と心外膜の間が心膜腔である。
2 プルキンエ線維は線維三角を貫く。
3 乳頭筋の収縮で房室弁が開く。
4 冠状静脈洞は右心房に開口する。
解答
正解4(冠状静脈洞は右心房に開口する。)
解説
✗ 1. 誤り
心内膜と心外膜の間が心膜腔である。
心膜腔は心内膜と心外膜の間ではなく、漿膜性心膜の壁側板と臓側板(=心外膜)の間にある空間である。心臓自身の内腔(血液が満ちる部屋)や心内膜と心外膜の間隙である心筋層とは全く別の空間で、心臓の外側をとりまく潤滑用の袋である。
✗ 2. 誤り
プルキンエ線維は線維三角を貫く。
線維三角を貫くのはプルキンエ線維ではなく房室束(ヒス束)である。プルキンエ線維は右脚・左脚の末端として心室の心内膜下を網目状に走行する刺激伝導系の終末部であり、線維三角は通らない。
✗ 3. 誤り
乳頭筋の収縮で房室弁が開く。
房室弁の開閉は心房・心室圧差による受動的な開閉であり、乳頭筋の収縮で能動的に開くわけではない。乳頭筋は心室収縮時に弁が心房側へ翻らないよう腱索を介して弁尖を保持する役割を担う。
✓ 4. 正しい
冠状静脈洞は右心房に開口する。
冠状静脈洞は心臓後面の冠状溝を走る太い静脈幹で、大心臓静脈・中心臓静脈・小心臓静脈などの心臓静脈を集めたうえで、右心房の後面に直接開口する。右心房には上大静脈・下大静脈・冠状静脈洞の3本の太い静脈路が注ぎ込む点が基本で、冠状静脈洞の開口部は下大静脈口の近傍にある。心臓の静脈血はこのルートで体循環の静脈血と合流する。
ポイント
  • 冠状静脈洞は右心房後面に開口し、心臓静脈血の大部分を右心房に返す。
  • 覚え方のコツ: 「右心房の三つ口:上大静脈・下大静脈・冠状静脈洞」と唱える。体からの静脈血2本+心臓自身からの1本で右心房に集合する。
  • 関連知識: 心膜腔は漿膜性心膜の壁側板と臓側板(=心外膜)に挟まれた空間で、少量の漿液(心膜液)が潤滑剤として働く。心内膜と心外膜の間にあるのは心筋層である。
  • よくある間違い: 「心膜腔は心内膜と心外膜の間」「プルキンエ線維が線維三角を貫く」など、心臓の層構造と刺激伝導系を混同しやすい。心腔内=心内膜、心臓の外側=心外膜+心膜腔、と層ごとに分けて整理する。
  • 臨床応用: 心膜腔に大量の液体が貯留すると心タンポナーデとなり、拡張障害から拍出量低下・Beck三徴(血圧低下・心音減弱・頸静脈怒張)を呈する。緊急的な心嚢穿刺の適応となる。
比較表
右心房に注ぐ静脈 集める血液
上大静脈 上半身(頭頸部・上肢・胸壁)の静脈血
下大静脈 下半身(腹部・骨盤・下肢)の静脈血
冠状静脈洞 心臓自身の静脈血
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題22|心臓について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題22|心臓について正しいのはどれか。
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