学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0096

理由で解く 解剖学

Q0096 循環器系

出典:あマ指 第22回(2014) 問題27
問題
心臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 三尖弁は乳頭筋により開く。
2 中心臓静脈は前室間溝を走る。
3 心内膜は重層扁平上皮からなる。
4 刺激伝導系は特殊心筋よりなる。
解答
正解4(刺激伝導系は特殊心筋よりなる。)
解説
✗ 1. 誤り
三尖弁は乳頭筋により開く。
三尖弁は乳頭筋の収縮で「開く」のではなく、弁尖が心房側へ翻るのを防ぐためのつり糸として腱索と乳頭筋が働く。房室弁の開閉は心房圧と心室圧の差による受動的な開閉で、乳頭筋の収縮は弁が閉じた後に弁尖を引き締めて逆流を防止する。
✗ 2. 誤り
中心臓静脈は前室間溝を走る。
中心臓静脈は前室間溝ではなく後室間溝を走り、冠状静脈洞に注ぐ。前室間溝を走るのは大心臓静脈であり、前後を入れ替えた典型的な誤りである。
✗ 3. 誤り
心内膜は重層扁平上皮からなる。
心内膜は単層扁平上皮(内皮)とそれを裏打ちする薄い結合組織層からなる。重層扁平上皮ではない。血管の内皮と同一種類の上皮が心腔の内面をおおい、心臓に出入りする血管の内膜にそのまま連続している。
✓ 4. 正しい
刺激伝導系は特殊心筋よりなる。
刺激伝導系は神経ではなく特殊心筋線維から構成される。一般の心筋線維と比べて太くて細胞質に富むが、収縮のための筋原線維は少なく、興奮を伝える性質に特化した心筋である。洞房結節・房室結節・房室束(ヒス束)・右脚・左脚・プルキンエ線維のいずれもこの特殊心筋で構成され、心臓が自動的かつ規則的に収縮できる源となっている。神経支配は刺激伝導系そのものを構成しておらず、交感神経・迷走神経は洞房結節などのテンポ調節を行うのみである。
ポイント
  • 刺激伝導系は神経線維ではなく特殊心筋線維からなる。自動能を持ち、心臓独自のリズムを生む。
  • 覚え方のコツ: 「筋なのに伝導する」を軸に、筋原線維が少なく細胞質に富むのが特殊心筋と覚える。脳・脊髄に頼らず心臓内で興奮が発生するから、離断・移植心でも拍動できる。
  • 関連知識: 心臓壁の3層は心内膜(単層扁平上皮+薄い結合組織)、心筋層(固有心筋+特殊心筋)、心外膜(漿膜性心膜臓側板)。心内膜が折り返したヒダが弁膜になる。
  • よくある間違い: 「刺激伝導系=神経」「心内膜=重層扁平上皮」は典型的な誤り。心臓は筋・筋・漿膜の3層で、内面は血管と同じ単層扁平上皮と対応づける。
  • 臨床応用: 心内膜炎では弁膜(心内膜のヒダ)に炎症が波及し、弁の変形や閉鎖不全を招く。リウマチ熱後の僧帽弁狭窄症はその代表である。
解説画像
あマ指 第22回(2014) 問題27|心臓について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第22回(2014) 問題27|心臓について正しいのはどれか。
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