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理由で解く 解剖学

Q0094 循環器系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題26
問題
刺激伝導系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 神経線維により構成される。
2 プルキンエ線維は心外膜下を走行する。
3 房室結節は右心室にある。
4 ヒス束は線維三角を通る。
解答
正解4(ヒス束は線維三角を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
神経線維により構成される。
刺激伝導系は神経線維ではなく、特殊心筋線維で構成される。特殊心筋線維は一般の心筋線維よりも太くて細胞質に富むが、筋原線維は少なく、興奮を周囲の心筋に伝える性質に優れる。神経細胞とは起源も組織学的性質も異なる。
✗ 2. 誤り
プルキンエ線維は心外膜下を走行する。
プルキンエ線維は心外膜下ではなく、心室の心内膜下を走行する。右脚と左脚から分枝し、心内膜のすぐ下を網目状に広がりながら一般の心筋に移行し、興奮を心室全体にすばやく伝える。
✗ 3. 誤り
房室結節は右心室にある。
房室結節は右心室ではなく右心房の下壁にある特殊心筋線維の密な塊である。洞房結節からの興奮を中継する役割を担い、ここを経た興奮は房室束(ヒス束)を介して心室に伝えられる。
✓ 4. 正しい
ヒス束は線維三角を通る。
房室束(ヒス束)は房室結節から続き、房室弁の周囲を固定する線維三角を貫通して心室中隔に達する。心房筋と心室筋は線維輪・線維三角という結合組織で絶縁されているため、両者を電気的に連絡する唯一の経路が房室束である。心室中隔で右脚と左脚に分かれ、それぞれプルキンエ線維として左右の心室壁を下行する。線維三角は房室束が通れるため、ここが虚血などで障害されると房室ブロックが生じる。
ポイント
  • 房室束(ヒス束)は線維三角を貫通する、心房筋と心室筋を電気的につなぐ唯一の経路である。
  • 覚え方のコツ: 「線維三角は電気の関所」。房室弁の周囲を絶縁体で固めた中で、唯一ヒス束だけが通れる抜け穴と覚える。
  • 関連知識: 刺激伝導系はすべて特殊心筋線維でできている。洞房結節→房室結節→房室束→右脚・左脚→プルキンエ線維(心内膜下)の順に走り、房室結節で約0.1秒の伝導遅延を生じて心房収縮後に心室収縮が起こる。
  • よくある間違い: 「プルキンエ線維は心外膜下」「房室結節は心室にある」は位置を取り違えた典型的誤り。プルキンエ線維は心内膜下、房室結節は右心房下壁と覚え直す。
  • 臨床応用: 房室束が虚血や線維化で遮断されると房室ブロックとなり、心房と心室が同調しなくなる。完全房室ブロックでは徐脈・失神が生じ、ペースメーカーの適応となる。
比較表
構造 位置 キーフレーズ
洞房結節 右心房・上大静脈開口部 ペースメーカー/自動能
房室結節 右心房下壁 伝導遅延(約0.1秒)
房室束(ヒス束) 線維三角を貫通→心室中隔 心房–心室の唯一の橋
右脚・左脚 心室中隔内 左右心室へ分配
プルキンエ線維 心室の心内膜下 心室全体へ高速伝播
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題26|刺激伝導系について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題26|刺激伝導系について正しい記述はどれか。
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