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理由で解く 解剖学

Q0093 循環器系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題27
問題
心臓の血管系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 冠状動脈は上行大動脈から分枝する。
2 左冠状動脈は後室間枝を分枝する。
3 右冠状動脈は回旋枝を分枝する。
4 冠状静脈洞は上大静脈に注ぐ。
解答
正解1(冠状動脈は上行大動脈から分枝する。)
解説
✓ 1. 正しい
冠状動脈は上行大動脈から分枝する。
左右の冠状動脈はいずれも上行大動脈の基部(大動脈弁の直上)から分枝する。右冠状動脈は前面から出て右心耳と右心室の間を走り冠状溝を右後方へ回り、左冠状動脈は左側から出て肺動脈と左心耳の間を通って冠状溝へ達する。心臓は全身に先立って大動脈から新鮮な動脈血を受け取る形になり、冠状動脈には全循環血液量の約5%が送られる。これにより酸素消費の激しい心筋が効率よく栄養される。
✗ 2. 誤り
左冠状動脈は後室間枝を分枝する。
後室間枝は右冠状動脈の終枝である。右冠状動脈は冠状溝を右に回って心臓の後面に達した後、後室間溝を心尖方向に下行する枝として後室間枝を出す。左冠状動脈は前室間枝と回旋枝に分かれる枝である。
✗ 3. 誤り
右冠状動脈は回旋枝を分枝する。
回旋枝は左冠状動脈の枝であり、右冠状動脈ではない。左冠状動脈は冠状溝に達すると、前室間溝へ下行する前室間枝と、冠状溝を左後方へ回って左心室後方部を栄養する回旋枝に分岐する。
✗ 4. 誤り
冠状静脈洞は上大静脈に注ぐ。
冠状静脈洞は心臓後面の冠状溝を走る太い静脈幹で、右心房の後面に直接注ぐ。上大静脈ではない。大心臓静脈・中心臓静脈・小心臓静脈などを集めるため、心臓を養った静脈血の大半はここを経由して右心房に帰る。
ポイント
  • 左右の冠状動脈はいずれも上行大動脈基部から出る。左冠状動脈→前室間枝・回旋枝、右冠状動脈→後室間枝が原則である。
  • 覚え方のコツ: 「前は左、後ろは右」と唱える。前室間枝は心臓前面にあって左冠状動脈、後室間枝は心臓後面にあって右冠状動脈、と表裏で対応づける。
  • 関連知識: 冠状動脈は終動脈性が強く、吻合は乏しい。心臓の静脈は冠状静脈洞に集まり右心房後面に開口するが、前心臓静脈の一部のみ右心房に直接開口する。
  • よくある間違い: 「回旋枝=右冠状動脈の枝」という混同が頻出する。回旋枝は左冠状動脈が冠状溝を左後方に回るもの、と位置で覚える。
  • 臨床応用: 冠状動脈の狭窄・閉塞により狭心症や心筋梗塞が生じる。前室間枝の閉塞は左心室前壁梗塞、右冠状動脈(後室間枝)の閉塞は下壁梗塞を引き起こし、心電図変化の誘導パターンから責任冠動脈を推定する。
比較表
動脈 走行 主な栄養領域
右冠状動脈 後室間枝 冠状溝右→後面→後室間溝を下行 右心房・右心室・心室中隔後下部・洞房結節・房室結節
左冠状動脈 前室間枝 前室間溝を下行 左心室前壁・心室中隔前部
左冠状動脈 回旋枝 冠状溝を左後方へ回る 左心房・左心室後側壁
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題27|心臓の血管系について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題27|心臓の血管系について正しい記述はどれか。
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