学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0092

理由で解く 解剖学

Q0092 循環器系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題23
問題
心臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 心尖は第2 肋間の高さに位置する。
2 右房室弁は僧帽弁という。
3 心臓の静脈血は上大静脈に注ぐ。
4 洞房結節は上大静脈の開口部に位置する。
解答
正解4(洞房結節は上大静脈の開口部に位置する。)
解説
✗ 1. 誤り
心尖は第2 肋間の高さに位置する。
心尖は左の第5肋間で鎖骨中線付近に位置する。心臓は円錐を逆さにした形で、上部の心底に対して下部の心尖が左前下方に傾いており、第2肋間の高さではない。第2肋間の胸骨左右縁は大動脈弁・肺動脈弁の聴診部位にあたる。
✗ 2. 誤り
右房室弁は僧帽弁という。
僧帽弁は左の房室弁であり、右房室弁は3枚の弁尖からなる三尖弁である。名称が左右で逆転する誤りであり、僧帽弁の「僧帽」は2枚の尖った布でできた僧の帽子に由来する。
✗ 3. 誤り
心臓の静脈血は上大静脈に注ぐ。
心臓自身を養った血液(心臓の静脈血)は、冠状静脈洞に集められて右心房の後面に直接注ぐ。上大静脈に注ぐのは上半身の全身静脈血であり、心臓の静脈血ではない。前心臓静脈の一部のみが右心房前壁に直接開口することはあるが、大半は冠状静脈洞経由である。
✓ 4. 正しい
洞房結節は上大静脈の開口部に位置する。
洞房結節は右心房の壁、上大静脈の開口部付近にある特殊心筋線維の網状の集まりである。ここで周期的な興奮が自動的に発生し、心房全体に伝えられて心房の収縮を促す。さらに房室結節、房室束、プルキンエ線維を経て心室に興奮が伝わるため、洞房結節は心臓拍動のペースメーカーとして機能する。交感神経(心臓神経)と副交感神経(迷走神経)が分布し、前者は興奮テンポを速め、後者は遅らせて心拍数を調節する。
ポイント
  • 洞房結節は右心房の上大静脈開口部にあり、自動的興奮で心拍のペースを決めるペースメーカーである。
  • 覚え方のコツ: 「SA結節=Superior vena cava(上大静脈)+Atrium(心房)」と読み替えると、場所がすぐに思い出せる。
  • 関連知識: 刺激伝導系は洞房結節→房室結節(右心房下壁)→房室束(線維三角を貫通)→右脚・左脚→プルキンエ線維(心内膜下)の順で興奮が伝わる特殊心筋からなる。
  • よくある間違い: 洞房結節を左心房や心室に置く誤答が多い。常に「右心房・上大静脈開口部」と紐づけて覚える。
  • 臨床応用: 洞房結節の機能不全で徐脈・洞停止をきたすのが洞不全症候群(SSS)。めまいや失神が出現し、人工ペースメーカーの適応となる代表的疾患である。
比較表
刺激伝導系 位置 役割
洞房結節 右心房・上大静脈開口部 自動能でペースを決定
房室結節 右心房下壁 心房→心室の中継・伝導遅延
房室束(ヒス束) 線維三角を貫通し心室中隔へ 房室間の唯一の興奮経路
プルキンエ線維 心室の心内膜下 心室全体へ興奮を伝播
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題23|心臓について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題23|心臓について正しい記述はどれか。
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