学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0090

理由で解く 解剖学

Q0090 循環器系

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題24
問題
心房の内部にみられるのはどれか。
選択肢
1 卵円窩
2 乳頭筋
3 腱索
4 肉柱
解答
正解1(卵円窩)
解説
✓ 1. 正しい
卵円窩
卵円窩は右心房側の心房中隔にみられる浅いくぼみで、胎児期に左右心房を直接連絡していた卵円孔が出生後に閉鎖した痕跡である。胎児循環では下大静脈から右心房に入った酸素化血の多くが卵円孔を通って左心房へ短絡していたが、出生後は肺呼吸の開始で左心房圧が上昇して卵円孔が閉鎖し、くぼみとして残る。心房の内面は比較的滑らかで、卵円窩はこの内面にみられる代表的構造である。
✗ 2. 誤り
乳頭筋
乳頭筋は心室内腔に突き出した円錐状の心筋の盛り上がりで、心房ではなく心室にみられる。腱索を介して房室弁の弁尖を固定し、心室収縮時に弁尖が心房側へ翻るのを防ぐ。
✗ 3. 誤り
腱索
腱索は房室弁の弁尖先端と乳頭筋をつなぐ腱性のヒモで、心室内にみられる構造である。心房内には腱索は存在しない。
✗ 4. 誤り
肉柱
肉柱は心室内面に網目状に盛り上がった心筋の隆起である。心房内面が比較的滑らかであるのに対し、強い駆出力を発揮する心室ではこうした心筋の走行が心内腔を取り囲み、肉柱として突出する。よって心房にはみられない。
ポイント
  • 卵円窩は右心房側の心房中隔にあるくぼみで、胎児期の卵円孔の痕跡である。
  • 覚え方のコツ: 「心房は滑らか、心室はゴツゴツ」。心房の見どころは卵円窩、心室の見どころは肉柱・乳頭筋・腱索と、部屋ごとに分けて整理する。
  • 関連知識: 胎児期の短絡として心房中隔の卵円孔と、肺動脈幹・大動脈弓間の動脈管(ボタロー管)がある。卵円孔は出生後に卵円窩、動脈管は動脈管索として残る。
  • よくある間違い: 乳頭筋・腱索・肉柱はすべて心室の構造であり、「心房にも乳頭筋がある」と誤解しないこと。心房は受容系、心室は駆出系という機能の違いが形態に反映される。
  • 臨床応用: 卵円孔が出生後も完全に閉じず残った病態が卵円孔開存(PFO)である。通常無症状だが、奇異性塞栓により若年性脳梗塞の原因となることがあり、エコーで心房中隔を観察して検出する。
比較表
部屋 内面の特徴 主な内腔構造
心房 比較的滑らか 卵円窩(右房中隔)、櫛状筋(心耳内)
心室 凹凸が多い 肉柱、乳頭筋、腱索
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題24|心房の内部にみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題24|心房の内部にみられるのはどれか。
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