
この図の解説
心臓は内腔に満ちた血液で養われるのではなく、大動脈の基部から出る左右の冠状動脈によって栄養される。図の前面(左)と後面(右)を見比べ、動脈(赤)と静脈(青)がどの溝を走るかに注目したい。右冠状動脈は大動脈前面から出て右心耳と右心室の間を通り、冠状溝を右へ回って後面へ達し、後室間溝で後室間枝となって心尖へ下る。左冠状動脈は大動脈左側から出て前室間溝を下る前室間枝と、冠状溝を左後方へ回る回旋枝に分かれる。静脈は前面の大心臓静脈、後面の中心臓静脈などが、後面の冠状溝を走る太い冠状静脈洞に集まり右心房へ注ぐ。溝の名前(冠状溝・前室間溝・後室間溝)を軸に、そこを走る動脈枝と静脈をセットで押さえるのが図の要点である。
学習の要点
- 心臓を養う栄養血管は左右の冠状動脈で、いずれも大動脈の基部(上行大動脈の起始部)から出る。心臓内腔の血液では養われない。
- 覚え方のコツ:「溝」で整理する。冠状溝=右冠状動脈・回旋枝、前室間溝=前室間枝、後室間溝=後室間枝。前室間枝は左冠状動脈の枝、後室間枝は右冠状動脈の枝。
- 関連知識: 前室間枝は臨床でLAD(左前下行枝)と呼ばれ、閉塞すると広範な前壁梗塞を起こしやすい要注意血管。回旋枝も左冠状動脈の枝で左心室後方を養う。
- よくある間違い: 後室間枝を左冠状動脈の枝と取り違えやすいが、多くは右冠状動脈の枝。心臓自身の静脈血は上・下大静脈ではなく冠状静脈洞から右心房へ入る。
- 臨床応用: 冠状動脈には全循環血液量の約5%が送られ酸素消費が高い。狭窄・けいれんで狭心症、急激な閉塞で心筋梗塞となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
後室間溝を走る後室間枝は、( )冠状動脈の枝である。空欄に入る語を答えよ。
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答え: 右
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。