
この図の解説
この図はまず左の外観で乳頭・乳輪・腋窩に連なるリンパ節の位置をつかみ、右の断面で乳腺の内部構造を読み取ってほしい。断面を見ると、黄色い脂肪組織の中に赤紫色の乳腺葉が房状に並び、それぞれから伸びる乳管が乳頭の一点に集まっている。乳腺は皮膚腺の一種で、もともと汗腺が変化してできたものである。そのため分泌様式は、細胞質の一部をちぎって放出するアポクリン分泌で、右上の吹き出しもこの点を強調している。乳頭を中心に10個あまりの乳腺葉が放射状に広がり、導管はそれぞれ独立に乳頭表面へ開口する。乳腺葉どうしは結合組織と発達した脂肪組織(葉間中隔)で隔てられる。乳汁は多量の脂肪と少量のタンパク質(カゼイン)を含む。分泌部を取り囲む平滑筋様の細胞が、乳児の吸啜刺激で放出されるオキシトシンを受けて収縮し、乳汁を押し出す。
学習の要点
- 乳腺は汗腺が変化した皮膚腺で、分泌様式はアポクリン分泌、乳頭を中心に約10個の乳腺葉が放射状に並ぶ。
- 覚え方のコツ: 「乳輪・肛門周囲・腋窩」はアポクリン汗腺の分布と共通。乳腺もアポクリン分泌と覚えると系統でつながる。
- 関連知識: 産生を促すプロラクチンは下垂体前葉、射乳を起こすオキシトシンは下垂体後葉から出る。放出元の前葉/後葉を取り違えない。
- よくある間違い: 乳汁の成分を「多量のタンパク質・少量の脂肪」と逆に覚える誤り。正しくは脂肪が多くタンパク質は少ない。
- 臨床応用: 乳房のリンパは腋窩リンパ節へ注ぐため、乳房疾患の診察では腋窩の触診が重視される。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
乳腺では、乳頭を中心に約( ① )個の乳腺葉が( ② )状に広がり、その導管はそれぞれ独立に乳頭の表面に開口する。①②に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: ①10(あまり) ②放射
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。