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理由で解く 解剖学

Q0058 人体の構成

出典:あマ指 第19回(2011) 問題33
問題
皮膚腺で毛包に開口するのはどれか。
選択肢
1 アポクリン汗腺
2 エクリン汗腺
3 脂腺
4 乳腺
解答
正解1(アポクリン汗腺) または 3(脂腺) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

皮膚腺のうち毛包(毛を包む上皮性の袋)に開口するのは、アポクリン汗腺と脂腺である。エクリン汗腺は汗孔として、乳腺は乳管として、いずれも毛包を介さず皮膚表面に開口する。

皮膚腺は汗腺(エクリン汗腺・アポクリン汗腺)と脂腺、および乳腺に大別される。脂腺は毛包に付属する腺で、皮脂を毛包内へ分泌し、毛と皮膚表面をおおって乾燥を防ぐ。アポクリン汗腺は腋窩・外陰部・乳輪・外耳道などに限って分布する大型の汗腺で、導管は毛包の上部に開口し、思春期以降に発達して特有のにおいのもとになる分泌物を出す。これに対しエクリン汗腺は全身の皮膚にほぼくまなく高密度に分布し、交感神経の支配のもとで水分の多い汗を大量に出せるため、体温調節の発汗を担う。その導管は表皮を貫き、汗孔として皮膚表面に直接開く。乳腺も導管である乳管が乳頭の先端に開口する。したがって「毛包に開く腺(脂腺・アポクリン汗腺)」と「毛包を介さず皮膚表面に開く腺(エクリン汗腺・乳腺)」の二分で整理すると迷わない。本問はアポクリン汗腺と脂腺のいずれを選んでも正解とする措置がとられている。

✓ 1. 正しい
アポクリン汗腺
腋窩・外陰部・乳輪・外耳道など限られた部位に分布する大型の汗腺で、導管は毛包の上部に開口する。思春期以降に発達し、体温調節ではなくにおいのもとになる分泌物を出す点でエクリン汗腺と異なる。
✗ 2. 誤り
エクリン汗腺
全身の皮膚に広く高密度に分布する小型の汗腺で、導管は表皮を貫いて汗孔として皮膚表面に直接開口する。水分の多い汗を大量に出せるため体温調節の発汗を担う。開口部が皮膚表面(汗孔)である点が、毛包に開くアポクリン汗腺・脂腺との識別点になる。
✓ 3. 正しい
脂腺
毛包に付属する腺で、皮脂を毛包内へ分泌し、毛と皮膚表面をおおって乾燥を防ぐ。手掌・足底には分布しない。口唇や眼瞼など毛を伴わない部位に開く独立脂腺もあるが、脂腺の基本形は毛包に開口するものである。
✗ 4. 誤り
乳腺
汗腺(アポクリン汗腺)が変化して発達した大型の皮膚腺とされるが、乳管が乳頭の先端に集まって開口する形をとり、毛包には開かない。授乳のために乳頭へ直接注ぐ経路をとる点で、毛と結びついた腺とは区別する。
ポイント
  • 毛包に開口する皮膚腺は脂腺とアポクリン汗腺の2つ。エクリン汗腺(汗孔)と乳腺(乳管→乳頭)は毛包を介さず皮膚表面に開く。
  • エクリン汗腺は全身の皮膚に高密度に分布し、水分の多い汗を大量に出して体温調節の発汗を担う。
  • アポクリン汗腺の分布は腋窩・外陰部・乳輪・外耳道などに限られ、思春期以降に発達する。乳腺は汗腺(アポクリン汗腺)が変化して発達した腺とされる。
  • 脂腺は皮脂を毛包へ分泌して毛と皮膚の乾燥を防ぐ。手掌・足底には無く、口唇・眼瞼などには独立脂腺がある。
  • 見分けの勘所: 暑いときの全身の汗=エクリン汗腺、腋窩のにおいを伴う汗=アポクリン汗腺、手掌・足底に無い腺=脂腺。
  • 重要用語: アポクリン汗腺, エクリン汗腺, 脂腺, 乳腺, 毛包 を正確に理解しておくこと。
比較表
腺開口部分布主なはたらき
アポクリン汗腺毛包(上部)腋窩・外陰部・乳輪・外耳道など思春期以降に発達し、においのもとになる分泌物を出す
エクリン汗腺皮膚表面(汗孔)全身の皮膚体温調節の発汗
脂腺毛包(独立脂腺は皮膚表面)手掌・足底を除く全身皮脂を分泌し、毛と皮膚の乾燥を防ぐ
乳腺乳頭(乳管)胸部(乳房)乳汁の分泌。汗腺(アポクリン汗腺)が変化して発達した腺とされる
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題33|皮膚腺で毛包に開口するのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題33|皮膚腺で毛包に開口するのはどれか。
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