学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ C. 体表構造(皮膚) / Q0048

理由で解く 解剖学

Q0048 人体の構成

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題31
問題
皮膚について正しい記述はどれか。
選択肢
1 ファーテル・パチニ小体は表皮にある。
2 アポクリン汗腺は全身に分布する。
3 爪は真皮の変形したものである。
4 手掌には脂腺はみられない。
解答
正解4(手掌には脂腺はみられない。)
解説
✗ 1. 誤り
ファーテル・パチニ小体は表皮にある。
ファーテル・パチニ小体は皮下組織の深層(真皮深層〜皮下組織)に存在する圧・振動受容器で、表皮には分布しない。表皮には自由神経終末とメルケル小体のみが存在する。
✗ 2. 誤り
アポクリン汗腺は全身に分布する。
アポクリン汗腺は全身ではなく、腋窩・乳輪・肛門周囲・外陰部など限局した部位にしか分布しない。全身に広く分布するのはエクリン汗腺(小汗腺)である。
✗ 3. 誤り
爪は真皮の変形したものである。
爪は表皮の角質層が硬く特殊変形した構造で、真皮ではなく表皮の変形である。爪母基の上皮細胞分裂により産生される。
✓ 4. 正しい
手掌には脂腺はみられない。
脂腺は毛包に付属して開口する皮膚腺であり、毛を持たない部位には存在しない。手掌・足底は毛が生えないため脂腺もなく、加えて口唇・亀頭・小陰唇など粘膜移行部や無毛部にも脂腺を欠くか独立脂腺として存在する。一方で手掌・足底にはエクリン汗腺は豊富に分布する点と混同しないようにしたい。
ポイント
  • 脂腺は毛包に付属する腺なので、毛のない手掌・足底には脂腺はない。エクリン汗腺は逆に手掌・足底に豊富である。
  • 覚え方のコツ: 「脂腺=毛とセット」「エクリン汗腺=手掌・足底に豊富」。毛の有無で脂腺の有無を判断する。
  • 関連知識: パチニ小体は皮下組織、マイスネル小体は真皮乳頭、メルケル小体は表皮基底層、ルフィニ小体は真皮深層と層ごとに分布。アポクリン汗腺は腋窩・乳輪・肛門周囲などに限局。
  • よくある間違い: 「アポクリン=全身」「パチニ=表皮」「爪=真皮由来」の3つが頻出の誤答。
  • 臨床応用: 手掌・足底の角質が厚いのは外力への適応で、同部位の多汗はエクリン汗腺由来の精神性発汗による。手掌多汗症ではこの発汗が問題となる。
比較表
部位 脂腺 エクリン汗腺 アポクリン汗腺
頭部・顔面 豊富 多い なし
腋窩 あり あり 豊富
手掌・足底 なし 非常に豊富 なし
体幹一般 あり あり なし
乳輪・肛門周囲 あり あり あり
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題31|皮膚について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題31|皮膚について正しい記述はどれか。
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