学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P122

理由で解く 柔道整復師

QJ34P122 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問122
問題
15歳の女子。ダンス部に入部して運動量が増加した。ダンスの際、足部に疼痛を自覚し、疼痛の改善がみられないため来所した。足部内側に圧痛を伴う骨性隆起がある。この疾患で正しいのはどれか。
選択肢
1 中足骨頭に生じる骨端症である。
2 ガングリオンが原因となる。
3 脛骨神経の絞扼によって疼痛が生じる。
4 扁平足を合併していることが多い。
解答
正解4(扁平足を合併していることが多い。)
解説

成長期の女子、運動量の増加、足部内側の圧痛を伴う骨性隆起──有痛性外脛骨です。後脛骨筋腱が付着する構造上、扁平足を合併していることが多いという4が正しい記述です。

外脛骨は舟状骨の内側にできる過剰骨で、日本人の1〜2割程度にみられます。後脛骨筋腱がこの外脛骨に付着するため、運動量が増えて腱の牽引ストレスが高まると、外脛骨と舟状骨の間の線維軟骨結合に微小な離開や炎症が起こり、痛みが生じます(有痛性外脛骨)。10〜15歳の成長期、とくに女子に多いのが特徴です。後脛骨筋は内側縦アーチを保持する主要な筋なので、扁平足があるとアーチが落ちて腱の牽引がいっそう強まり、発症しやすく難治化しやすくなります。対応は運動量の調整とアイシング、アーチを支える足底挿板(インソール)の使用、後脛骨筋や下腿三頭筋のストレッチと足内在筋の強化です。改善しない場合は医療機関での画像評価につなげます。

✓ 4. 正しい
扁平足を合併していることが多い。
後脛骨筋は内側縦アーチの保持に働くため、扁平足があると外脛骨への牽引ストレスが増して発症しやすくなります。したがってアーチを支える足底挿板が有効で、後療法でも扁平足への対応が回復の鍵になります。
✗ 1. 誤り
中足骨頭に生じる骨端症である。
中足骨頭(主に第2中足骨頭)に生じる骨端症はフライバーグ病(第2ケーラー病)です。部位が前足部であり、本症例の「足部内側の骨性隆起」とは一致しません。なお足舟状骨に生じる骨端症は第1ケーラー病で、こちらも外脛骨とは別の病態です。
✗ 2. 誤り
ガングリオンが原因となる。
ガングリオンは足根管内で脛骨神経を圧迫する原因になりうる腫瘤ですが、外脛骨は生まれつきの過剰骨であり成因がまったく異なります。触知される骨性隆起は骨そのものです。
✗ 3. 誤り
脛骨神経の絞扼によって疼痛が生じる。
脛骨神経が足根管で絞扼されるのは足根管症候群で、足底のしびれや灼熱感が主症状となります。有痛性外脛骨の痛みは腱の牽引による付着部の局所痛で、圧痛点が骨性隆起に一致し、しびれを伴わない点で区別できます。
ポイント
  • 有痛性外脛骨=舟状骨内側の過剰骨(外脛骨)に後脛骨筋腱の牽引ストレスが加わって生じる。
  • 成長期(10〜15歳)、とくに女子に多く、運動量の増加が引き金になる。
  • 所見は足部内側の圧痛を伴う骨性隆起。しびれは伴わない。
  • 後脛骨筋は内側縦アーチの保持筋 → 扁平足の合併が多い
  • 対応は運動量調整・アイシング・足底挿板・後脛骨筋のストレッチと足内在筋の強化。
比較表
疾患部位主症状本態
有痛性外脛骨舟状骨内側圧痛を伴う骨性隆起過剰骨への腱の牽引ストレス
足根管症候群内果後方(足根管)足底のしびれ・灼熱感脛骨神経の絞扼
第1ケーラー病足舟状骨足内側の疼痛・跛行舟状骨の骨端症
フライバーグ病(第2ケーラー病)第2中足骨頭前足部の疼痛・腫脹中足骨頭の骨端症
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